耽美警報発令!! 妖しき美少年・真珠郎の大犯罪を描いた、日本ミステリー界の宝石

小説・エッセイ

更新日:2012/2/3

真珠郎

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : KADOKAWA
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:横溝正史 価格:367円

※最新の価格はストアでご確認ください。

『獄門島』『八つ墓村』『犬神家の一族』など、数々の作品で知られるミステリー界の巨星・横溝正史。生涯に遺した作品は、名探偵・金田一耕助シリーズをはじめとして、由利先生シリーズ、人形佐七シリーズなど、よく知られたものだけでも膨大な数にのぼります。

すると、頭が痛いのは、スペースの問題。

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横溝作品に見入られたミステリーファンは、本棚のかなりの部分を「横溝正史専用」として確保しなければなりません。みるみる増殖する黒っぽい文庫本。ついに棚から溢れ、床にまで拡散してゆく横溝、また横溝!

ミステリーは好きだけど、そういうのはちょっと……という方(が大半だろうと思います)は、電子書籍を利用するのがよいでしょう。

電子書籍パブリでは現在、角川文庫の横溝作品がすべて電子版で購入できるようになっています。金田一耕助シリーズはまだiPhone未対応ですが、それ以外の作品ならPCでもiPhoneでも購読可能! 限られた棚スペースを圧迫せずに、思う存分横溝作品を楽しむことができるのです。ここではその膨大な作品から、妖しき美少年による殺人事件を描いた、耽美度120%の傑作『真珠郎』をプッシュしておきましょう。不可能犯罪の中心でいつも不気味に微笑む、悪の化身ともいうべき少年・真珠郎。果たしてその正体とは――? ミステリーファンはもちろん、怪奇幻想ファン、美形好きをも唸らせる戦前の逸品。「これ系」が好きなら、年末の読書リストに加えて絶対に損はないでしょう。久しぶりにiPhoneで再読しましたが、個人的にはこの頃の横溝正史がいちばん好きです。

短編ミステリー「孔雀屏風」も同時収録。こちらも「真珠郎」と同じく、名探偵・由利先生が活躍します

冒頭から強調される、真珠郎の妖しさ。果たしてどれほど恐ろしい少年なのか――。活字はスッキリとしていて読みやすい

主人公はある夕方、巨大な生首のような形の雲を目撃する。それは奇怪な連続殺人の幕開きにふさわしい眺めであった