寒いクリスマスのお伴に、心温まる優しい「こじつけ」はいかがですか?
更新日:2012/2/3
物事は解釈の仕方によって、さまざまな姿を見せる。
しかし私たちの日常では、常識と異なる解釈をして新たな可能性を作り出すことは「こじつけ」の一言で片づけられてしまう事が多い。ただし「こじつけ」と言われようとも、新たな可能性は可能性として、変わらず存在しつづける。
伊坂幸太郎が大学一年の時に初めて完成させたという小説のプロットを加筆修正した今作は、ドイツ・ローテンブルクでのクリスマスの一夜の物語。
今年のクリスマスの予定が未だ真っ白の僕は、iPhone上だけでもクリスマスムードに乗っかろうとダウンロードしてみた。ささくれ立った心が少し癒され、大学生の頃の伊坂幸太郎に感謝することに。
鬱々とした気持ちを抱えながら探偵業を営むカールは、尾行途中の休憩場所に選んだ公園で、町で噂の謎の男と出会う。そこでカールが語る悲惨な身の上話に、謎の男が提示する「こじつけ」とは?
謎の男の優しい「こじつけ」が、あなたの心も温めてくれるはず。
100ページ程度の短編なので、短い時間でサクッと読める。厳しい寒さに(もしくは僕のように寂しいクリスマスに)、心まで凍えてしまったという人に是非おすすめしたい。
クリスマスの夜、カールは「こじつけ」というプレゼントを受け取った。あなたも伊坂幸太郎からの心温まる優しい物語のプレゼントを受け取ってみてはいかがだろうか。
文の設定もかなり自由にカスタマイズできる。短い小説なので、このような大きなテキストでもページ数が膨大になることもない
表紙と同テイストの章扉もクリスマスムードを盛り上げてくれる素敵なデザインだ。章扉までカラーで楽しめるのは電子書籍ならでは