真夜中に窓を突きやぶって新聞が! 伝説の恐怖コミック、電子書籍で再臨

公開日:2011/10/24

恐怖新聞 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 :
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:つのだじろう 価格:324円

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君ならどうする! もし真夜中に新聞が届いたら。さらに、どうする! その新聞が窓ガラスを突きやぶって、寝室に飛びこんできたら。さらに、さらにどうする! その新聞には将来起きる悲惨な出来事や、超常現象の記事がびっしり載っていて、しかも読んだら寿命が100日縮むとしたら。

そんなイヤ~な出来事が、本当に起こってしまうのがこの『恐怖新聞』という作品だ。窓ガラスが割れるのはつらい。寿命が縮むのはもっとつらい。

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主人公・鬼形少年のもとには夜な夜な「恐怖新聞」という不気味な新聞が届けられる。そこに書かれているのは「中学教師 交通事故で即死!!」「霊の世界とはどこにある?」「自分の生霊を見た!」などなど、あまり夜中には読みたくない感じの記事ばかりだ。記事に書かれた事件は必ず現実化し、鬼形少年を怯えさせる。

作品は心霊ネタ、吸血鬼ネタ、UFOネタと、バラエティに富んだ(偏ってはいるけど)記事にそって連作形式で展開してゆく。さすがは巨匠・つのだじろう先生。どのエピソードもツボをおさえた、怖くて面白い作品ばかりだ。

でも、一番怖いのはやっぱり「真夜中に新聞がやってくる」という基本設定だろう。この現象を起こしているのは、主人公に取り憑いた悪霊なのだが、そもそもなんで幽霊が新聞を運んでくるんだろう? 悪霊自身が記事を書いているのか? 取材もしてるのか? 考えれば考えるほどわけが分からないのだが、それなのに妙なリアリティがあって怖ろしい。口裂け女とか、人面犬とか、そういう都市伝説にも通じる強引な怖さがこの作品の魅力なのだ。(それにしてもなぜ新聞?)

1970年代、『うしろの百太郎』とともに少年少女を恐怖させたオカルトマンガの逸品。真夜中にひとりで読むことをオススメする。あ、怖いけど寿命が縮んだりはしないからどうぞご安心を。


真夜中に新聞が! そりゃ悲鳴をあげますよね

窓を閉じていてもこのありさま。恐怖新聞からは逃げられないのだ!

というわけで鬼形少年は新聞記事を紹介してゆくことになったのです。…がんばれ!

こういう解説が挿入されるのは、つのだ作品の特徴ですよね。ペンタッチが怖いなあ

第1巻には3話を収録。心霊あり、吸血鬼あり、UFOあり (C)つのだじろう