漢方医学の診療法を具体的に知っていますか?

更新日:2011/9/6

漢方の診察室

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 平凡社
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:下田哲也 価格:540円

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西洋医学と漢方医薬をどう相互補完的に統合するかを模索、研究している開業医下田哲也の実用書。
  
門外漢にとっては、一見特別な医学だと思われがちな漢方。この本は、その背景、医学的効用をできるだけわかりやすく説明している。

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本書では、東洋文化特有の言い回しで「人間を一個の小宇宙とみる調和の医学」という説明もあるが、私としては、「実体はともかく、その機能がわかればよく、病気を治せば勝ち」という端的な表現のほうが実にわかりやすかった。要するに、季節、生活環境、個人差を考慮にいれ、「あるべきものが不足している場合には、それを補えばいい。あってはならないものがある場合は、それを排除するべき」というのが漢方の基本的な診察方法だと説明している。
  
後半、具体的な治療例として、「気管支喘息の治療」「冷えと火照りの治療」「こころの問題の治療」「アトピー性皮膚炎の治療」などが記されている。
  
そして最後には「漢方Q&A」と題して、「漢方は長く飲まないと効かないものですか?」「漢方薬には健康保険は使えますか?」「ダイエットに良い漢方薬はありますか?」というような初心者向きの質問に対して丁寧に答え、説明されている。本当に初心者向きな質問だったので、私にもわかりやすかった。
  
本書にもあるように、喜びや驚き、悲しみが発病因子となり、病気に至るという考えはもっともである。だとすれば、喜びが病気を治す場合もあるということだ。この本により、漢方も治療方法のひとつだと知ることができ、その喜びが治療への足がかりとなることを望むのである。

目次

著者と漢方医学とのなれそめが記されている

漢方の特色とは「証」。詳しいことは本書で

西洋医学と東洋医学の発想の違い

実は漢方には五行陰陽説も用いられている (C)下田哲也/平凡社