彼らが「そこ」で生きるワケとは? 過酷で絶望を予感させる壮大な冒険コミック
公開日:2011/10/26
7SEEDS (1)
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : 小学館 |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:田村由美 | 価格:432円 |
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おいしいものをたくさん食べて、ベッドに入る。いつもより、ちょっぴり贅沢な1日が終わる。明日も同じような日がやってくると信じて。でも、次に目が覚めたときに自分がいたのは、温かなベッドではなく、荒れ狂う海の上で木の葉のように揺れる船の中だった…。
沈みかけの船の中で目覚めた高校1年の岩清水ナツ。ナツのほかにいたのは同世代の男の子、嵐と蝉丸。それから少し謎めいた雰囲気を持つ女性・牡丹。沈みかけの船を抜け出し、ボートに乗り込んだ4人は無人島へと漂着する。しかし、無人島だと思われた島には、人がいた気配はある。そして、見たことがないような生き物、あるいは、テレビや図鑑でしか見たことがない生き物たちがいた。
便利すぎると言っても過言ではない現代社会。そんなところから、スマートフォンどころかトイレもないような原始世界に放り出されたらどうするだろう。突然、強いられるサバイバル。食べられるものはないから、当然、自分たちで「狩り」をしなければならない。
なぜ、自分たちはこんなところにいるのか、そして一体、ここはどこなのか。ナツと嵐は自分たちが誘拐されたのだと考え始めるが…。
正直、1巻だけでは何も分からない。ひたすらナツたちが「よく分からない場所」で翻弄され続ける。実は壮大な物語のほんの1ページを開いたに過ぎない。1巻でひたすら訴えられるのは、生きることがどれだけ苦しく、大変であるかということ。寝て目が覚めたら、いつもと同じ日常があると思ったら大間違いなのである。
さて、現在電子書籍では10巻まで出ている本作。
そこまで読めば、ナツたちがどこにいるのか、そしてなぜそこにいるのかが分かるし、悲しくて残酷で、希望がない事実がそこにあることが分かる。
とりあえず、今のところ、私にはハッピーなエンディングは想像できない。それでも、ナツたちには少しでも幸せな「現実」を手にしてほしいと願いつつ、続刊が刊行されるのを待つばかりである。
物語の1ページ目。これがナツたちがいる「場所」を示すカギになる
漂着した島には大量の虫…
図鑑でしか観たことがないような生き物…
そして凶暴な野生動物。動物・虫が苦手な人は要注意だ (C)田村由美/小学館