子供の”精神の病”増加の原因は「甘え」を奪われたことだった!?

「甘え」と日本人

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA
ジャンル:教養・人文・歴史 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:土居健郎 価格:756円

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 「甘え」という概念が日本文化の特質的な一面であることを解いた故・土居健郎著『「甘え」の構造』。この名著に強く共感した教育学や身体論の専門家、斎藤孝が晩年の土居氏とのインタビューなどをもとにさらに日本人の「甘え」についてメスを入れる一冊です。

 普段から「甘え上手」ですか? 子供を「甘え」させていますか? 競争激化の現代では、「甘える」という言葉はどちらかというとネガティブな響きを持っていますが、「甘え」を許すこと、「甘え」を上手にすることが人間としても、社会としてもとても大事な成長への要素だという両氏の視点を学べる構成。口語体でつづられる1冊は、まるで彼らが先生として奥に座っている診察室に入ったよう。へーという納得と、驚きの分析の連続です。

 「正しく甘える」場を子供の頃から失った社会は、やはりいろいろなことでひずみができてくる。2人の対談の中で、近代的日本人の象徴でもある夏目漱石が「甘え」られる人間だったのかどうかを検証する切り口はとても新鮮!! 人間関係においてことにダメになってきた社会や子供。それでは子供をどんな風に「甘え」させればよいのか。そのひとつに「読み聞かせ」といういとも簡単な習慣があるという指摘にもはっとされられました。親に朗読してもらう心地よさ。その優しくよりかかれる場で、身をゆだねられる感覚が「自覚のない甘え」であり、それこそが有効な「甘え」であるというくだりも納得できます。

 モノを買い与えて「甘え」させる親は激増しましたが、それとは反比例して、こうした甘えられる「場」を尊重する家庭は激減したのかもしれません。そうした傾向がゆくゆくは日本の社会の地盤沈下に繋がっている……。育児書ではありませんが、これから子供を育てる人にはことに有効な1冊。会社で人間関係に悩んでいる人にも、「甘え」からの視点で見る人との関わり方は、突破口になるかもしれません。


普段意識しなかった「甘え」の構造

漱石で説明される「甘え」は、説得力あり

「甘え」というキーワードから、日本的な感覚「わびさび」までも説明できると



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