沖縄はどうしてこうも人を惹きつけるのでしょう…

更新日:2011/9/5

沖縄家庭料理入門  -おいしさの秘密は「ティーアンラ」-

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 農文協
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:渡慶次富子吉本ナナ子 価格:735円

※最新の価格はストアでご確認ください。

学生時代にスキューバダイビングをしていた関係で、沖縄や離島というのは常々私の夢見るところではありました。当時何度かもぐりにいった先で出た料理の数々。???という食材と???という食べ方は強烈に記憶に残っています。
  
が、その頃は海の中の魚のほうが重要な感心事だったので、食事と一緒に飲み込んだ「?」は「?」のまま長年放置していました。

advertisement

今回、こういう本をあの時1冊読んでいたら! と思うことしきり。沖縄の文化がいかに本土のそれとかけ離れているかは、誰にも認識されていることですが、食を通じて見る沖縄は、納得のオリジナリティを持っています。
  
本書は地元の女性せり人として活躍した8人の孫を持つおばあちゃんのレシピ、そして人口550人の波照間島で生まれ育ち、那覇市に波照間料理店を持つ女性のレシピを紹介。農文協のこのシリーズに、すっかりハマっている私ですが、本書も読ませる、読ませる。
  
冒頭部こそ料理写真で「料理本」というスタートを切りつつも、48ページからレシピ紹介が始まるまでは熱い「語り」部分。沖縄の固い豆腐の話や、長寿県の秘密、沖縄のオバァのバイタリティのエピソードなどなど。豚肉とかつおぶしが沖縄のだしの基本というのも今回初めて知りました。
  
スペインも豚1頭を余さず利用する国ゆえ、沖縄の豚肉料理や下処理の仕方には興味津々です。ゆっくりとした時間が流れる南の国らしい、下ゆでにもたっぷり時間をかけての調理。波照間島の不思議な名前の野生の草のオンパレードに、「あぁ! どうしても行ってみたい!! 食べてみたい!!」と旅愁かきたてられること満点。
  
日本、中国、東南アジアにアメリカ文化。これを見事にチャンプルーにしたのが沖縄の文化ですが、根底には「医食同源」の思想が深く、そして幸運なことに素晴らしい食材に恵まれている環境。現在の沖縄も、高カロリー高脂肪の食卓が危惧されているといいますが、食と食卓を大事にする土地柄は「島」ゆえに本土よりも根強く残っているのでは。
  
この1冊で全国にまた1人確実に沖縄ファンが増えること受けあい。ただのレシピ本を越えた知識を詰め込み、パッショナブルに本書をまとめた編集者にも拍手。
  
あ~沖縄、行きたい!!

この沖縄の市場の写真を見ながら、カナリア諸島の市場を思い出しました。南国には共通する雰囲気が

ジューシーとか、イリチー、ンブシーとか。沖縄料理の名前もまた魅力的

本土の高原地帯の野草より、波照間島の野草に激しく食欲を刺激されるのは、なぜ?

沖縄の豆腐はサイズはもとより、栄養素も本土のそれより数倍高い! さすが! (C)渡慶次富子・吉本ナナ子/農文協