これでいいのだ! 120万部超ベストセラー作家の愛にあふれた育児エッセイ

小説・エッセイ

更新日:2012/3/2

これでもかーちゃんやってます

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 筑摩書房
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:上大岡トメ 価格:540円

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フリーランスという仕事の見通しが不安定な働き方。

それでいて、2児の母でもある著者は『キッパリ!―たった5分間で自分を変える方法』(幻冬舎)が120万部を超えるベストセラーになったイラストレーターの上大岡トメさんです。現在は高校生になった子供たちですが、子供は保育園で、著者がフリーランスになったばかりの頃を振り返った育児エッセイです。

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ドタバタしている日常は育児中ならもちろん共感できます。片付けても、片付けても散らかる部屋にうんざりすることはいつものことだし、朝の時間は忙しく、保育園に行く準備も子供の「イヤイヤ」時期なんて本当に大変です。それでも著者は子供への愛情をたっぷり注ぎながら、怒ったり、焦ったり、笑ったりをイラスト付きで綴っています。

このエッセイ、「育児は大変だ~」ということを書いているわけではないのです。もちろん大変な事もあるのですが、エッセイが書かれたのは著者の子供が中学生前後の時で、保育園時代からの育児を振り返っています。育児の先輩である著者の文章を読み進めていくと、保育園児の育児真っ最中で毎日が迷いばかりの私の気持ちが次第に軽くなり、なんとも不思議。

例えば、子供が風邪を引いたときは、仕事が締め切り間近で食事のバランスが悪かったのだと反省。そんな時は、残りの野菜をいっぱいみじん切りにして、コンソメスープで煮る。子どもたちも野菜を食べて栄養バランスをとってくれて、今でも子供たちの大好物-というような、忙しくても、出来たこと、出来なかったこと。完璧なかーちゃんじゃないけど、今、家族は笑っているよ、という等身大の著者の言葉がとても温かい。

だからなのでしょう。迷っている時、悩んでいる時は分からないことでも、著者がその先の光をちらっとのぞかせてくれるようなエッセイなんです。今、うちのこんなだけど、それも今だけなんだと、感じられます。

各章のところに著者のイラストがあります。ほんわか、かわいいイラストで育児の模様が描かれています

画面は上下に動かして、目次や文字の大きさを変更できます。私はそのままでもイラストのおかげで楽しく一気読みでした

目次からももドタバタ感がでています。笑いもある楽しいエッセイです