仕事でも、人生でも、基本が大切。迷ったときに原点に立ち戻れる「保存版」

更新日:2012/2/3

あたりまえのことを バカになって ちゃんとやる

ハード : iPad 発売元 : Sunmark Publishing
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:600円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「数字力」「発見力」など、ビジネスマン講座シリーズの著者が語る人生訓。

会社のトイレ掃除が著者の会社の朝一番の仕事であることにまずは驚きですが、社長自らが創業10数年経っても男子トイレ担当! ということに再度驚かされます。MBAホルダーが創業した経営コンサルティング会社と社長・社員による掃除(特にトイレ掃除)というと不釣合な組み合わせに思えますが、実は経営研究のテーマとしては、“トイレ掃除”は深いものがあります。

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掃除を研修や業務の一環として取り入れている企業に、ダスキンやイエローハット・日本電産などがあるようですが、その目的・効用は、主として「精神を養う」ことにあるようです。

本書においてのテーマはまさに「精神」。仕事だけでなく、人生において起こるさまざまな出来事に、ポジティブ&積極的に取り組んでいく「精神」を持つために、

A=あたりまえのことを

B=バカになって

C=ちゃんとやる

という基本の徹底を謳っています。そして小宮氏の著書の特徴として、具体的な事例を本人の経験を交えて語ることで、説得力が高いものとなっているのです。

また、強調したい箇所が本文中でゴシックで太く表記されており、そこだけ飛ばし読みすれば(抽象的ではありますが)、重要なポイントがわかります! 一例として挙げると、

■小さなことさえ、徹底してできない人に、大きなことができるわけがありません。

■人生がうまくいく人は、あたりまえのことを、バカになって、ちゃんとやる。必ず、前向きになってやるのです。

■成功や幸せとは、人を幸せにしたご褒美だと私は思います。

■「なりたい自分」になれるかどうかは分かりませんが、「なれる最高の自分」にはなれるはずです。

■この仕事をやっていてほんとうによかったと、魂がゆれるようなシーンはあったでしょうか?

■余裕と甘えは似ていますが、まったく違うものです。

などなど。ふとけんが以前にレビューした「数字力」や「発見力」講座と同じ著者とは思えないくらいの、精神性・考え方へのフォーカスと言い切りが気持ちよいのです。

「迷い」を吹っ切ってくれる言葉が散りばめられています!

見てお分かりの通り、目次の一本ずつがメッセージとして立っていて、すでに「小宮語録」。その数55本! 気になる言葉から順番に読むのも上手い読み方だと思います。ちなみにふとけんセレクトの目次ベスト3は①「七転び八起き」が大きな間違いなわけ、②アウトプットを前提にしたインプットでないと意味がない、③プロとは自分の名前で仕事ができる人、です

レビュー本文でも書きましたが、MBAホルダーが創業した経営コンサルティング会社と掃除(特にトイレ掃除)のギャップに驚きが隠せません。でも、著書をいくつも出している小宮一慶氏の経営する「小宮コンサルタンツの社員って、何人いるんだろうか?」って気になりませんか? ふとけんはそんなことも考えながら楽しんで読めました

本書に登場するABC、つまり、A=あたりまえのことを、B=バカになって、C=ちゃんとやる、は著者の小宮氏がある経営者から教わったものだそうです。完全オリジナルでなくとも、それを素直に認めたうえで自分のモノとして「消化」し、他者に伝えるまでに「昇華」させている小宮氏に脱帽

著者の略歴と並んでふとけんが気になるもの、それは「顔写真」。顔に人生がにじみ出るといいますが、人間好きなふとけんはそこまで深くなく、完全な興味本位(笑)で「小宮一慶」を検索。「講演依頼」のサイトや「小宮コンサルタンツ」のHPで、温厚そうな小宮氏の顔を発見しました