ヒロインはピュアなヘンタイ!出し惜しみナシの『SE』最新3巻レビュー
公開日:2015/1/7
タイトルのSEがなんの略かというと特にひねりはなくて、システムエンジニアそのままで、理系で大卒の主人公、丘史郎くんが毎朝電車で見かける気になる子への未練を断ち切り就職するところからはじまる物語です。
しかしこの作品の舞台となるピーチシステムという会社で開発しているのはアダルトグッズだったりするのです。しかも社長は現役女子高生の天才プログラマーで、しかも丘くんが毎朝電車で会うのを楽しみにしていた女子高生。そんなピーチシステムに入社した、丘史郞くんと社長の高島百香さんのラブコメです。
主人公の男の子が素人でヒロインがその道のプロというのは、同じ著者の『こみっく☆すたじお』と同じ構図ですが、百香さんは(丘くんが入社してからはやめたようですが)会社のミーティングでオナニー論を展開するほか、社長命令や商品開発のためと言い訳しつつ丘くんの性癖を聞きだそうとするなどのヘンタイさん。
3巻では、丘くんの部屋に行くまで関係は発展するのですが、ベッドのにおいを嗅ぐ、ゴミ箱の中を覗くなどの奇行を演じています。見た目は美少女だから許せる、というのもあるでしょうが、ポイントだなと思ったのは、丘くんを前にしたときの百香さんの赤面する様子などから彼女のピュアな面が見える点です。部屋をあさったときも、丘くんに土下座してゴミ箱からティッシュをお土産にしようとしたこと詫びています。
女子高生で天才プログラマーで社長で、というだけのキャラクターが、まあ実は病気というハンディキャップはあるにしても、好きな相手といちゃいちゃする話なら「爆発しろ」という気持ちにもなるのですが、かなりのむっつりスケベなヘンタイ女子高生が好きな人を前にしてもじもじする姿には、共感はできずとも応援したいと思わせるなにかがありました。
丘くんの入社時に、とんでもない紹介をされてしまう百香さん
丘くんの部屋にて…
目の前で使え! と迫る百香さん
商品開発の名分で、個人的関心が炸裂するのです