“あなたに切り殺されたい” めくるめく耽美で狂気な世界へ堕ちる快感に酔う
更新日:2012/1/25
誰にでも多かれ少なかれあると思われる、加虐精神と被虐精神。一般の人達ならば表には出さぬよう、奥深く隠しているもの。それは、想像以上に甘美で罪深いリンゴの味がするのかもしれない…。
SとM、自分はどっちだろうと考えたところで、考えるまでもないルナルーチェの葉菜とチリでお送りいたします。
【葉菜】退廃的で耽美な世界に心惹かれる葉菜です、皆さんこんにちはーっ。
【チリ】あらすじ! 19歳の青年である主人公・フレイは、伯父の探偵事務所で働く傍ら、女装してエルザと名乗り、女給をしていた。彼は、傷つけられることを日々望む被虐精神の持ち主。彼の“ご主人様”は、普段は頼りない新米刑事・ジャック。裏の顔は、残酷な加虐精神を持つ支配者だった。…そんな彼らの住む街では、切り裂き魔事件が多発。その事件に興味を持ったフレイは、エルザとして潜り込むが――
【葉菜】最初に言っておきましょう。かなりの流血や痛めつける描写が多いので、苦手な人はまわれ右! でも、そういうのに惹かれるあなたには、ばっちりオススメです。
【チリ】書き方がとっても官能的で耽美だから、私はあまり流血や虐待描写は気にならなかったなぁ。むしろ、フレイとジャックの妖しい関係性にドキドキしっぱなし! 最初は「こんなのって…」とも思ったけど、2人の幸せそうな姿を見てると、これもありかな…って。ああ、私も危険な世界に目覚めそう! もちろん、痛めつける側で…
【葉菜】ちょっ、妄想しながら、こっちを見ないでくださいよ。私にそんな趣味はありません! 痛いのはイヤー!!
【チリ】うふふふふ…。あまりも常識からかけ離れている狂気に満ちた世界に、最初は戸惑う人は多いかもね。でも、被虐と加虐の心が惹かれ合い、混ざり合っていく姿に、気がつけば胸の高鳴りを感じるようになるんだって。痛々しく、トゲに満ちた愛情…。でもそれは、甘美な薔薇の香りがするのさ!
【葉菜】この作品に出てくるキャラクター達は、人に言えないような“なにか”を抱えています。それは、人によっては滑稽にも奇異にも見えるかもしれませんが、読み込んでいくうちに、自分の奥にある“なにか”を感じて、共感するかもしれません。
【チリ】さぁ、新たな世界への扉を開けてみて…。うふふふふ。
【葉菜】至高の愛を知った瞬間に訪れる甘美な死――あなたはこの2人を見て、気が狂ってると思いますか? それとも…
麗しき乙女、エルザ
美しい男は、冷酷かつ残虐な支配者でもあった――
恐ろしくもありながら、甘美な狂気に飲み込まれる…
乙女の正体は――