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エディターレビュー

元禄という、町人も武士も浮かれていた時代に起きた政治事件

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2011年07月26日(火) 17:00
山野辺一記  

元禄忠臣蔵 大石内蔵助

ハード
PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android
ジャンル
コミック
著者名
五島慎太郎
発売元
世界文化社
購入元
eBookJapan
価格
315円
  • 泣ける
  • ハラハラドキドキ
  • 目からウロコ

総合評価

★★★☆☆

原作がホラーマンガ家・五島慎太郎、作画が「弐十手物語」の神江里見による歴史劇画。弐十手物語は、名高達郎、泉谷しげる、野口五郎出演でドラマ化されている。私も観ていた記憶がある。
  
この作品、題材は御存知、“忠臣蔵”。
  

作品を読む(元禄忠臣蔵 大石内蔵助)

時は元禄時代。赤穂藩主の浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)が江戸城松之大廊下で、旗本・吉良上野介(きらこうずけのすけ)に起こした刃傷沙汰。おかげで、浅野内匠頭は切腹。赤穂藩はお取り潰し。そして翌年冬、遺臣である大石内蔵助以下、赤穂浪士四十七名が吉良上野介を襲撃。仇討ちを成すまでの一連の事件が、世に言う忠臣蔵である。
  
過去に多くのドラマ、映画があり、五島慎太郎と神江里見コンビの切り口に興味が高まった私。
  
本作では二つの対決に焦点が当てられている。
  
ひとつは当然、大石内蔵助と吉良上野介。大石が部下に、吉良が賄賂にまみれているという噂話をでっち上げ、湯屋、髪結い床、射的場、芝居小屋に流させるところなど、大石の謀略、綿密な襲撃計画の様子が描かれていて面白かった。
  
もうひとつは、米沢藩家老・色部安長(いろべやすなが)と、幕府大老である柳沢吉保(やなぎさわよしやす)の対決。当時、幕府は財政を潤すため、各藩の領地、権益を没収しようとお取り潰しを画策していたのである。企んでいたのが柳沢吉保。標的になったのが米沢藩。ここで焦点になるのが、米沢藩主である上杉綱憲(うえすぎつなのり)が吉良上野介の実子であるということ。吉良邸討ち入りの最中、上杉綱憲は実父である吉良上野介を救うため出兵しようとする。だが出兵すれば、江戸城下での武力行使で米沢藩のお取り潰しは必定。米沢藩家老の色部安長は必死に上杉綱憲の出兵を止め、お取り潰しの難を逃れるのだった。
  
ラストも定石通り、大石内蔵助が赤穂浪士の切腹を悲しむ、浅野長矩の妻・瑤泉院(ようぜんいん)の涙で幕を閉じる。だが事件の裏で繰り広げられた様々な陰謀を大衆は知る由もない。その裏の物語が、歴史モノでは醍醐味なのである。
  
現在の政権の背後でも、実は何か陰謀が行われているのでは?
  

討ち入りから三百余年。赤穂義士研究家である飯尾精のコメント

歴史の舞台に図らずも立ってしまった登場人物

早駕籠から物語は始まる

松之大廊下での刃傷沙汰

昼行灯の大石内蔵助 (C)神江里見・五島慎太郎/世界文化社

作品を読む(元禄忠臣蔵 大石内蔵助)