今さら聞けない、美容のアレコレを理系女子たちが徹底研究

　世は美容戦国時代。人気のモデルを戦神と崇める多数の勢力は各々の信仰する雑誌を手に、日夜争っています。まさに群雄割拠であり、過激な覇権争いは留まるところを知りません。「カワイイこそが大正義！トレンドアイテムを身につけ、いざ闘いに身を捧げん！」と女子達は今日もまた、明日の闘いに備え刃（お肌）を磨くのでした…。

　というのは冗談ですが、それくらいに女子でいるのは大変なことです。そして、トレンドが加速すればするほど、「自分はなかなかそうはなれない…」と挫折するビューティ新兵も急増。戦況の激化に伴い、入り口のハードルはどんどん高くなっているようにも思えます。そのせいか、ついには開き直って「身なりなんて気にしないわ！ グハハ！」という女性も随分増えてきています。本作はそんな方々を投石機に乗せて最前線へぶっ飛ばします。本当にそれでいいのか、と。

　舞台はとある会社の製品研究室。研究室にこもる毎日で、理系の女子3人はまったく“イマドキ”から遠い存在です。「もしかして私達は女子ではなく女子モドキなのではないだろうか。このままじゃダメだ！」そんなよくわからない危機感を感じた3人は、美についての研究を始めることを決意するのでした。

　近頃話題の“リケジョ”による美容研究が本作の醍醐味。つけまつげってなに？ ネイルってなに？ アヒル口ってなに？ 自撮りって？ 地鶏？ 誰にも聞けないような素朴な問いが連発。不器用な理系女子達が徹底的に研究してくれます。毎回、世間の女子がフツーにしていることの難解さに打ちのめされつつ、“イマドキ”を実践する3人の女子モドキ達。いずれも外見の研究からスタートしますが、しばしば結論が精神論に帰結するのも面白いところです。紆余曲折しつつ、ちょっとづつ女子になっている（ようにみえる）彼女達を見れば、アナタもきっと女子になれるはず！

　人は外見がすべてではありませんが、外見を磨くことで心がけが洗練されるというのはあながち間違いではなさそうです。カワイイは大正義で無慈悲ですが、“カワイイは作れる”もまた事実！！ 寝っ転がってマンガを読みながら美容も知れる、なんともお得な作品です。（この発想がだめ？）