結局、料理男子が大正義。朝ごはんをステキに楽しむ、ほのぼの料理マンガ

公開日:2015/3/17

あさひごはん

ハード : 発売元 : リイド社
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:小池田マヤ 価格:※ストアでご確認ください

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 人間は、カテゴライズというものが好きな生き物です。もう現代においては、何でもかんでも事細かにカテゴリ分けされているという状況で、昔はひとつのものだった事が、今では蜂の巣のように細かなカテゴリの集合になっていることも珍しくありません。なぜそんなことをするかというと、これは某の系統であるとか、ナントカに属するからこうだ、なんて言うように対象を分析研究するためです。

 例えば最近ですと○○系男子だとか、○○系女子という言葉が非常に顕著な例。「おい男子!」と呼ばれていたひとつのカテゴリが、今では細分化され60種類以上に分けられているというから驚きです。女子もまた然りなのですが、これはそれだけ、恋愛・異性というものを分析研究したいという事でしょう。どっちがこうで、どっちが良い。この研究は今なお続いています。

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 しかしながら、本作を読むとそんなカテゴリ分けは案外無意味にも思えます。結局、料理を楽しむ男女が一番シンプルにステキなのです。

 とある朝。主人公のあさひは、今日も朝ごはんを作るべく台所に立ちます。昔から両親が早朝から仕事でおらず、朝ごはんをひとりで食べるのは日課でした。寂しく作業的に朝食を食べるあさひでしたが、ある日台所でコック姿の幽霊と出会います。それは若くして亡くなったあさひの祖父の幽霊でした。それから毎朝、祖父は秘伝の“ちょっと変わったレシピ”をあさひに伝授。あさひは次第に食事の素晴らしさ、料理を作る楽しさに気がついていくのです。

 激しい展開とは無縁、ほのぼの純度100%な料理マンガ。変わり者の祖父が提案するレシピは、なかなかにヘンテコなのですが、どれも不思議な魅力があります。フツーの台所で調理される料理は、決して華やかではありません。しかし、祖父の“料理をする喜び”が詰まったレシピは、あさひだけでなく家族やクラスメイトなど、周囲も幸せにしていきます。朝ごはんを楽しく、美味しく頂くだけで毎日が驚くほどキラキラするのです。

 きっとそんな風にして、なんでもない毎日を楽しんでいるように見えるからこそ“料理を楽しむ人がステキ”なワケであります。ゆったりと、温かく見守るように眺めていられる本作は、日常を味わうとっておきのレシピ、なのかもしれません。


ある朝突然現れたコック姿の幽霊

ミルクねこまんま

その正体は、おじいちゃん

ある朝はほうれん草のバナナカレートースト!

ある朝はバラの巻き寿司。女子のハートもゲット?