「旅」をハブにした、高城流・人生の楽しみ方指南書

公開日:2011/9/4

サバイバル地球旅行術2010

ハード : 発売元 : MediaTablet Inc.
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:300円

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高城剛という人物にどんなイメージを持っていますか?
  
ハイパーメディアクリエイター、ワイドショーを賑わす話題の人、少し前なら情報番組のコメンテーター…、といったところが一般的だと思いますが、今ひとつ本質的な部分が見えてきません。実のところは「つねに世界中を跳び回っている旅人兼映像クリエイター」が正解に近いイメージだと思います。
  
本書は、そんな著者が長年の旅人生で培ってきた心得や実践方法などがまとめられた一冊。

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主に、日本国内の旅行関連メディアの問題点と、最新の旅行事情、自身の旅行術について、事例や実例を交えて紹介されています。「旅」の魅力が、メディア問題、お気に入りのガジェット、美食など、多角的な視点で語られているので、あまり旅行をしない人でも興味深く読み進められます。
  
特に、国内ガイド誌への問題指摘は的確かつ秀逸。利益の追求や広告主への配慮が読者の不利益に繋がっているという論理は、現代の政治や社会問題とも一致するため、著者の怒りに素直に共感できるはずです。まさか「旅」の本でネットの活用や情報リテラシーを考えさせられるとは思ってもいませんでした。後半の「旅行グッズ自慢」も面白く、いくつかのアイテムは、本アプリを一旦オフにしてアマゾンで商品検索してしまいました。
  
全体的に著者の主観や好みが色濃い内容になっているので、男性と女性で感想が分かれるかもしれません。ガジェット好き、一人旅好きをはじめ、長期出張が多い人や時事問題に興味のある人でも楽しめる一冊だと思います。

サマリーから第一章までガイド誌の問題が事細かく紹介されています。日本が世界のトレンドに乗り遅れることへの著者の危惧がうかがえます

「旅を続けながら生きる」、いつか実現してみたいものです