知りませんでした、では済まされない。人体に与える「被曝」の影響
更新日:2011/9/12
福島原発の問題はいまだ希望の見えない状況が続いています。震災被害、原発事故で多くの人々に悲しみと不安が広がり、この原発問題は世界にも大きな衝撃を与えています。原発の問題で世界に衝撃を与えたのは60年以上前の長崎、広島の原子爆弾投下の時でした。
本書は環境問題など社会派のドキュメンタリー番組を制作し注目される鎌仲ひとみさんと、陸軍軍医で広島の原爆で被ばくした医師肥田舜太郎さんの共著です。
著者の鎌仲さんは冒頭で問題提起しています。「被ばく者」と、聞いて私たちは核兵器が投下されて、初めて被ばく者という存在が生まれるという神話を信じているが、それは違うと。私もそのうちの一人だったと思います。
被爆には「外部被曝」と「内部被曝」があります。長い年月をかけて体内にダメージを与える「内部被曝」の恐ろしさについて実際に多くの被ばく者を看た肥田医師の経験談は、戦争を知らない私でもその当時の映像が頭に浮かび、胸が苦しくなりました。
また、当時の核兵器を投下したアメリカ軍の核に関する情報の隠ぺい、被ばく者の苦悩、被ばく者の認定をめぐっての日本政府との戦いなどは、福島原発の問題と重なる部分があります。
本書は核兵器、戦争などが与えた影響が今もなお続く問題として書かれていますが、原発問題を抱える今の私たちが読むべき1冊でもあると思いました。
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