本屋大賞受賞作家の抱腹絶倒学園ミステリー

小説・エッセイ

更新日:2012/3/5

東川篤哉「殺意は必ず三度ある」

ハード : iPad 発売元 : Jitsugyo no Nihon Sha
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:450円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「謎解きはディナーの後で」で2011年度本屋大賞を受賞した東川篤哉

その所業、言うなれば”抱腹絶倒ミステリー”。

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よく考えてみると、割とありそうでなかった分野なのかも。そんな東川篤哉のルーツとも言える鯉ヶ窪学園探偵部シリーズが2作、App Storeにて発売開始。とりあえず「殺意は必ず三度ある」の方を読んでみた。

主人公は鯉ヶ窪学園・探偵部(正式名称:探偵小説研究部)に所属する男子3名。彼らの周囲で起こった連続殺人事件。これを推理し、事件の真相に迫る、という物語。

…と書くと、凄く少年探偵団とか名探偵コナンみたいなタイプのミステリーを想像してしまうのだが、もちろんこれには当てはまらず。殺人事件が起こっているにもかかわらず、緊張感は皆無。とにかく、この上ないユル~い雰囲気(^^;)に終始する。

ネタバレしない程度に例を挙げてみるとこんな感じ。

・鯉ヶ窪学園探偵部なのにもかかわらず、事件が起こるのは別の学校

・なぜかかなりマニアックにプロ野球を知らないと解らないバカネタ続出

・登場人物全員の会話がほぼ落語か漫才、ないしはマヌケ

…まさに抱腹絶倒。

とにかく読んでいる最中に笑いが絶えない。通勤電車の中でニヤニヤしながら読んでいたら、隣に座っていた女子高生が「チッ!」という顔をしてが別の席に移ってしまったくらい。ある意味非常に迷惑(^^;)な作品でもある。

ただ、ミステリーの仕組みはなかなか秀逸。とにかく読者を笑わせるだけ笑わせながら、壮大過ぎるミスリードを誘う。推理小説を読みながら「やられたぁ!」と思ったのはかなり久し振りかも。お笑い好きには強力にオススメ。野球も好きだと尚良い。ただ、本格ミステリーしか読まない、って人には絶対にオススメしません(^^;)。

ちなみにこのiPhoneアプリを購入しようとしてる人に注意が2つ。

1)「学ばない探偵たちの学園」を先に買え!

※当作品はシリーズ2作目(^^;)。よく調べてから買えば良かった…。

2)「しおり」機能がない(と思われる)ぞ!

※電子書籍では必携の機能と思われるしおり機能がどこを探しても見当たらない。HELPを見ても載ってない。基本的にフルレジュームなのだけど、アプリが強制終了した場合は対処できない。これは改善して欲しいなぁ…。 

iPhoneでの通常画面。ルビも違和感なし

本文表示。IPAフォントが読みやすい

下方向にスワイプすると上部にメニュー表示。上方向にスワイプすると下部に表示される

HELP表示はアニメーションも混じった解りやすさ