忘れてしまったことも、忘れたままにしたかったことも

更新日:2012/7/20

走馬灯株式会社 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 双葉社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:菅原敬太 価格:500円

※最新の価格はストアでご確認ください。

漫画アクションにて今も不定期で連載されているミステリー作品。
毎回主人公の違う連作短編集で、その単行本を電子書籍化したもの。電子書籍は現在5巻までがリリースされている。人生の岐路に差し掛かった人たちが、稀に迷い込む謎の会社「走馬灯株式会社」が舞台。

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バストイレ完備の完全個室、フロントに電話すれば食事もOK。滞在期間フリー。入場時には自分の年齢と同じ枚数のDVDを手渡され、備え付けの大型のテレビで視聴可能。DVDの内容は自分の視点で見るこれまでの人生。他に、自分に関わりのあった人の人生も視聴することができる。

妻子を失って自暴自棄になった男は、ここでDVDを見たために最悪の結果を招く。落ちぶれたストリートミュージシャンは、自分が最低の犯罪を犯してしまった事を知る。ペットの猫視点のDVDを見て、家庭の本当を知る人妻。甘やかされて育てられた22歳のボンボン浪人生は、ここで自分の人生を消してしまう。余命幾ばくもない老人は、ここで人生に最高の幕を引く…。

最初の2話を読んだ段階では、そのあまりの救いのなさにゾッとした(^^;)。洗練された画風がそれに拍車を掛けていて、背筋すら寒くなる勢い。自分の人生と対峙する、というのは、やはり残酷な面が多く、こういう展開になるのは避けられない、と思ったのだけど、通して読むとハートフルなハッピーエンドになるエピソードもちらほら。そのバランスが絶妙だから、思った以上に読後感は悪くない。

テイスト的にはテレビ番組の「世にも奇妙な物語」に近いかも。もちろんあちらよりはブラックでアダルトではあるのだけど、あの世界が好きな人はぜひ一読すべき。 …しかし、走馬灯株式会社は何で利益を出してるんだろう(^^;)?


iPad縦モード。全体的にすっきりして今風の画風

iPad横モード・見開き表示。迫力ある展開!

自動ページめくり設定が可能。慣れると読書がかなり楽に

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