アップル復帰、数々の成功、そしてがん…最高のイノベーターの公式伝記

更新日:2011/11/24

スティーブ・ジョブズ II

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:BookLive!
著者名:井口耕二 価格:2,052円

※最新の価格はストアでご確認ください。

スティーブ・ジョブズⅡ(下巻)は、アップルを追い出されてピクシーを立ち上げたスティーブが、倒産寸前のアップルに復活し、業績を回復させて次々とヒット商品を生み出すところから、がんになって死に至るまでを描いています。

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マックに集中してプリンター事業をやめたことや、アップルをおいだされた経験があるからこそ次々とヒット商品をだすことができた話、iPod,iPhoneなどを世の中に出したストーリーはまさにイノベーションの教科書です。まさに点と点を結びました。

彼から日本人が学ぶことは多くありますが、一つあげるとすると、組織の中で、摩擦や嫌われることを怖がらないということだと思います。それをやりすぎて、最初アップルを追い出されたではないかと思われる方もいるかもしれませんが、それは強い明解なビジョンがあったからこそです。アメリカのしかもシリコンバレーの自由な雰囲気での企業文化でさえ変人扱いされるほど、彼は妥協しませんでした。決して好んでケンカは好きではないと思います。やはり、自分のやりたいことがあるからこそ意見を通す。それも高いレベルでのビジョンをもっているからこそできたことです。

かたや日本人は村社会の企業文化の中で、議論やディベートを好みません。空気を読まないと変人扱いされるからです。その結果、出る杭は打たれてイノベーションや改革を邪魔しています。単に権力を誇示するための嫌われ方は論外ですが、ビジョンがあって、やり通すための摩擦や嫌われることにもっと寛容な企業文化や社会になることが必要です。アメリカでも嫌われた、スティーブのビジョンとそれをやりぬく力。素晴らしいイノベーターであり、経営者でした。

                       

スティーブはスタンフォード大学の伝説のスピーチの中で、仕事を愛し1か所にとどまらないこと、自分のやりたいことを探すためには心や直感に従うことが大切ということ、人生は短いことなど多くの人生へのそして仕事への示唆を与えてくれています。そして学生にこの言葉でスピーチを締めくくりました。

「ハングリーであれ、愚か者であれ」
冥福をお祈りします。


スティーブがいなくなったアップルは魅力のないものでした

いよいよアップルへの復帰ですが、実はつぶれそうな経営状態でした

最後、彼は家族との時間をとても大切にしました。家族で京都にいき俵屋旅館にも宿泊しました

ビジョンからお金(収益)に走った瞬間から、アップルの凋落は始まりました