恋人は人間? ヒューマノイド? 意外な結末のライトミステリー

ライトノベル

更新日:2011/9/5

プリズム

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 講談社
ジャンル:ライトノベル 購入元:電子文庫パブリ
著者名:村上千晃 価格:864円

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巷では人口音声で歌ってくれるボーカロイドさんが流行ですが、今回は人間と見分けのつかないヒューマノイド・ロボットのお話。
  
この本、実は京都大学の現役理学部生が書いたそうです。大学生協で山積みになって売られていたので、気になって電子書籍版で購入。すっかり電子書籍に慣れてきたあすかです。

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あらすじ:ヒューマノイド工学を学ぶ大学生・翔は、恋人の葵とのドライブで事故に遭って以来、葵の周りでおかしなことがいくつも起こることに気づく。彼女の正体は? 彼女の父親であり、ヒューマノイド工学の権威である神楽博士の真意は? 学生たちの謎解きを、衝撃のラストが迎える。
  
少子化が問題視される昨今、「人口減少の打開策として政府によってヒューマノイド・ロボットの実用化が進められた」というこの本の設定には妙にリアリティを感じてしまいます。「ロボット三原則」や「フレーム問題」、「テセウスの船のパラドックス」などなど、人工知能分野に興味のあるひとをグッと惹きつける話題が豊富に登場します。
  
また、研究生が恋に落ちた相手は有名科学者の娘で実は人間ではなく…というストーリーは、SFライトノベルの源流ともいえる新井素子の『グリーン・レクイエム』を彷彿とさせる素敵な設定。
  
個人的におっ! と思ったのは、登場人物の大学生4人が、ボードゲーム「カタンの開拓者」で遊ぶシーン。実はこのボードゲーム、私たちの大学でも流行っていてよく仲良しが集まってはプレイしているのです。
  
本作を読んでみて面白そうと思った方は、カタンのボードゲームにもぜひトライしてみてくださいね!

タイトルでさりげなく不確定性原理や全称肯定命題を扱う作者はさすが理学部生

ヒューマノイドが実用化されている近未来設定

大学生が主人公のラノベは、もっと増えてもいいと思うのです