内田春菊はいつも誰かに怒っている。だが、怒りこそが彼女の“才能”なのだ
公開日:2011/9/4
お前の母ちゃんBitch! (1)
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : ぶんか社 |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:内田春菊 | 価格:315円 |
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結婚・離婚歴3回、父親違いの子どもが4人、元夫の現パートナーと事実婚で同居中。
そんな波乱万丈な子育てエッセイ『私たちは繁殖している』で知られる内田春菊ですが、本作は『繁殖』のほぼ続編といっていいでしょう。『繁殖』はまだ完結していないし、登場人物の名前が違うなど、こまかい違いはありますが、内容は誰がどう見ても地続きです!(キッパリ)
『Bitch』の主題となっているのは「セックス」「家族」「パートナーとの関係性」。
前半は、「大人/夫婦(正確には違うが)はセックスするもの」という当たり前の事実を子どもたちにオープンにすることについて、後半は「パートナーとフェアにつきあっていくためにはどうすればいいのか」についてを、作者の怒りと憤りと愚痴(笑)が満載で描かれます。
内田春菊はいつも誰かに怒っている。
そこがイヤで離れる読者も多いでしょう。
が、彼女の怒りは偏っている一方で、世間の常識や馴れ合いに鋭い疑問を投げかけているのも事実なのです。むしろ、怒りこそが彼女の才能の根源だと、私は思います。
最後にひとつ、笑ってしまった親子の会話を抜粋。
息子「…って童貞の俺が言うのもなんだけど…」 母「え? 童貞なの?」 元夫「童貞なの?」 息子「二人してそこかよ!」
「そんな浮気ばっかしてる上に4人も子ども…」とやや呆れ気味の長男と、どこ吹く風の母
小学生の娘に自分のあえぎ声をマネされ、爆笑する母。オープン…!
このセリフにドキッとしたセックスレスカップル人は一読の価値あり
うーん、こんなに長年一緒にいるパートナーにすらそう感じることがあるんですね
ハードな過去もさらりと流す。母ちゃん、前向きです! (C)内田春菊/ぶんか社