まったく読者層対象外を承知で読んでみました。男性諸君、がんばってください

公開日:2011/11/11

「モテる男」養成講座

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 三笠書房
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:櫻井秀勲 価格:648円

※最新の価格はストアでご確認ください。

毎月本を読んでレビューを書かせていただくという幸運に恵まれて以来、「これまでに読んだことないジャンルにもチャレンジすべきだワ」などと、頼まれてもいないのに使命感に燃えていることを告白します。今までに読んだことのないような作家、読んだこともないようなジャンルに挑戦してみよう! そんなワクワク感から、今回は突拍子もない(失礼)タイトルを選んでしまいました。

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こういう本って、本屋で立ち読みすることも不可能だし、男友達に「貸してよ~」っていう類のものでもなし。オンナとしては「一体なにが書いてあるのだろう??」と興味津々になるわけです。40代に突入する私が読む本でないのは重々承知ですが。こういうレビューは若い男性などに書いていただいて、「役に立った」とひと言言ってもらえれば、本としては大成功でそれだけで十分なのですが。

著者の櫻井氏は女性向け芸能誌を長年編集してきた人物。彼の女性への観察眼は「オンナ受けする雑誌を創る」という長年のキャリアによって培われてきました。あぁ。恋愛や「落とすテク」のマニュアル本を読むんだったら、「本人に聞いたほうが早くない?」と思ってしまうオバサンな私。読んでいてもなかなか意味がわかりません。それでも、読み進めてゆくうちに、そうかぁ。人間の行動のパターンは個々人違うようでいて、実はそれほど複雑には分かれていないのかも、と納得し始めることしきり。オトコが「このオンナを落とすゼ」と、じりじりと作戦を立てている間、彼らからすれば、オンナにはほぼ「いいよ」「いやよ」の2つの答えしかないわけで(実際、オンナの心理は二極性ではなく、もっとあいまいで適当な気もするのですが…)、その駆け引きに負けるな、攻略法があるという本です。

その「駆け引き」が恋愛の楽しいところで、それが長く続けば男女ともに楽しいのでは、と個人的には思うのですが、この本の焦点はほぼ「やることをやる」というその目的のための「モテる男」養成術。体も心も知り合ってから、いかにその愛を育むかという本ではなく、そのまま「モテ続ける」男でいるための本。オトコの人って大変ですねぇ。

女性のこの手のマニュアル本には「彼から愛されるための~」「愛される女になる~」みたいな受動的なタイトルが多いのも、ふと気がつきました。これは櫻井氏も断言するように「オンナは抱かれたい動物である」からでしょうか。まだまだジェンダー論が浸透していない日本だからでしょうか。そういえば、こういうジャンルの本はスペインの本屋さんでは見かけない…。ラテン系にはまったく必要ないのだろうか? そんな国際比較まで妄想はふくらみ。

「オンナは~である」と断言されると何故かくってかかりたくなるオバ軍団にはお勧めできませんが、本当に女性に声もかけられないような若い男性諸君。それから、「男の人って何考えてるのかしら?」という夢見る夢子ちゃん恋愛デビューしたての女性はこういう本を読んでみるのもショック療法で面白いと思います。櫻井氏が説く「モテる」ためのスキルは至って正攻法。でもこのマニュアルをクリアした男性がもし目の前に現れたら、絶対疑うかも(←オバリアクション)。


キャッチーな目次がずらりと並び。さすが芸能誌編集長の技

長年色んな女性を観察し、経験してきた筆者は力強く、こうオンナを定義しています

時々挿入される漫画がダイレクトでいい味出しています

そうそう、そういうデートにあこがれました

「どこ行きたい?」「私、海がいい」なーんて会話、日本全国民ご経験がおありでないでしょうか (C)櫻井秀勲/株式会社三笠書房