地球の存在それ自体がすでに奇跡。そこに生きていることはさらなる奇跡

更新日:2011/9/8

本当は怖い宇宙

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : イースト・プレス
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:福江純 価格:500円

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宇宙の話を聞くのも天体の写真を見るのが好きだ。なぜなら、どこまでが現実でどこからが夢で、どこまでが科学でどこからが哲学や空想かわからない、というような、何とも不思議な感覚にとらわれるからだ。
  
宇宙の誕生は今から137億年前で、ビッグバンは、宇宙が誕生してからごくわずかの時間(10の34乗分の1秒)後に発生した現象だと考えられている。

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太陽は70億年後に現在の直径の2400倍にもふくれあがって赤色巨星になり、やがて白色矮星になり、今から1兆年後には宇宙の恒星はほとんどが矮星になり <中略> そして、最後に残ったブラックホールでさえ、10の92乗年後には蒸発してしまう。そして、あとに残るのは、全くの無の空間。
  
とてもじゃないが、まさに天文学的数字がたくさん出てきて、具体的にイメージを描くのは無理。でも、こういうとてつもない話には惹かれる。
  
ただ、魅力的なものはたいてい猛毒も併せ持っているもので、人類に絶滅規模の被害をもたらす彗星や小惑星の地球への衝突の確率は10万年に1度の確率で、“100%ある”というから恐ろしい。事実、巨大隕石の地球衝突で恐竜は絶滅したと言われている。
  
地球は大気で守られているが、大気圏を出ると太陽からの放射線やら紫外線やらで、船外活動をする宇宙飛行士はガンの危険にさらされる。宇宙旅行は生きているうちに行ってみたいが、まだあまり安全じゃなさそう。太陽の黒点の大爆発と、新型インフルエンザの発生には何らかの関係があるという説も。
  
考えてみれば、地球がこれだけ豊かな自然に恵まれ、そこに文明が起こって、今私たちがこうして生きていることはもうほとんど奇跡である。そう思うと地球がいとおしく思えてきませんか。

天体の写真にはつい見とれてしまう。無限大の宇宙はミクロの世界にも見える

同上

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宇宙の脅威よりも、私はこの星に生きている奇跡を素直に喜びたい (C)福江純/イースト・プレス