史上初の女性起業家“シャネル”。名セリフ満載で成功の秘訣を明かします

更新日:2011/9/12

シャネル―最強ブランドの秘密

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 朝日新聞出版
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:山田登世子 価格:540円

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「フランス、それはわたし」――
  
こんなセリフ、普通なかなか言えませんよね。さすが、シャネル。彼女はまた、あるインタビューで、ショートカット流行の火付け役ではと問われた際、「ショートカットが流行したのじゃないわ。わたしが流行ったのよ。」と怒りに満ちた声で答えたそうです。

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孤児院で育った不遇の少女時代を経て、無一文から一大シャネル帝国を築き上げ、ファッション界の女王として君臨したココ・シャネル。自信に満ちあふれた彼女は、ときにはモード界を辛辣に批判する、数々の名セリフを残しています。そんなシャネルのセリフをところどころにちりばめ、ブランドとしてのシャネル、そして彼女自身の魅力に迫ったのが、「シャネル―最強ブランドの秘密」です。
  
昨年、シャネルに関するDVDを立て続けに2本観て、その生きざまにひかれた私“ぷりまべら”でしたが、本書では、時代の先を読むビジネス・センスにあふれたシャネルの非凡さをまざまざと見せつけられたように感じました。厩舎のファッション、アンチ・ゴージャス、黒のシンプリシティ、ストリート・ファッションといった、シャネルのファッション理念を表すようなキーワードがでてきますが、「私」が着たいもの<動きやすく快適でいてエレガントな服>を世の中の人も求めているといったゆるぎない信念が、彼女を支えていたのですね。そして、既存の価値観にとらわれない数々の製品が生まれ、多くの人々を魅了していったようです。
  
私はブランド好きというわけではありませんが、シャネルの持つ“特別感”は好きです。残念ながら、化粧品しか購入したことがありませんが、口紅一つでも、シャネルの“特別感”は格別ですね。本書を読んで、シャネルがますます魅力的に思えてきました。

トップデザイナーとしてのシャネル、そして起業家としてのシャネルへと関心が深まっていったという著者。シャネルの成功の秘密は、自分のライフスタイルをそっくりパッケージして商品に変えたことにあるという見解に納得です

装飾過剰が女たちのからだのラインを殺し、まるで熱帯雨林の寄生植物が樹木も殺すみたいに、ゴテゴテした飾りがからだを押しつぶしていた――第一次世界大戦以前の競馬場に集う女性たちのファッションをふりかえったシャネルが発した言葉です。かなり毒がありますねぇ