シャネルと親交のあった人物の物語から浮かび上がるシャネルの生涯
更新日:2011/9/5
「シャネル―最強のブランドの秘密」(前回のレビューに掲載)で、シャネルへの興味がますますわいた私“ぷりまべら”が、次に選んだのが「ココ・シャネルの星座」。本書は、シャネルと親交のあった12名の人物の物語により、シャネルを語った本です。
ピカソ、ストラヴィンスキー、ジャン・コクトーなど誰もが知る著名人から、シャネルの唯一無二の親友、ミシア・セールまで、シャネルと関わりのあった人物の物語を読むことで、シャネルのさまざまな姿を知ることができます。
シャネルとピカソがお互いを“同類だ”と感じていたこと、妻子あるストラヴィンスキーとの関係、ジャン・コクトーとの友情など、どのストーリーもとても興味深いのですが、なんといっても、親友ミシア・セールとの、時には仲たがいし、嫉妬しあう友情関係から見え隠れするシャネルの姿が、興味をそそります。裕福な家の出であり、多くの芸術家の友人を持つミシアは、シャネルを社交界へと導き、本書にも出てくるような芸術家らとシャネルが出会うきっかけを作った人物でもあるのです。
著者は、本書に登場する12名を選ぶのに苦労されたそうです。それは、シャネルの生涯の各時期をそれぞれ象徴していなければいけないからという理由からです。シャネルの生涯を描いた本としても、また12名の評伝としても楽しめる一冊です。
目次には、ガブリエル・コレット、ポール・ポワレ、ミシア・セールなど、シャネルと関わりのあった12名の名が並んでいます
「孤独」という言葉が本書にもたくさんでてきます。特に晩年のシャネルは孤独感にさいなまれていたようです