電子書籍ビジネスの理論&実践がこの1冊で学べる最高の教科書

更新日:2011/10/21

ブックビジネス2.0 ウェブ時代の本の生態系

ハード : iPhone 発売元 : Jitsugyo no Nihon Sha
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:0円

※最新の価格はストアでご確認ください。

3月25日にiPad2の発売も決定され、今後ますます熱を帯びていきそうな電子書籍業界。この書籍は、そんな電子書籍業界をビジネスの側面から考える一冊だ。
  
twitterのタイムライン上でこの書籍の一文が取り上げられていて関心を持ち、ダウンロードが無料という事もあり購入(電子書籍化特典の製作陣による座談会で、これは見事に製作陣の戦略に乗せられていたことが分かった)。

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電子書籍時代の出版社と著者の新しい関係性、電子書籍時代の図書館、ソーシャルリーディング、ライセンス問題…。電子書籍ビジネスを考えるための重要な問題提起が章ごとに行われている。著者陣も津田大介氏や岡本真氏など現代のメディアを代表する大物ぞろい。
  
僕が特に注目したポイントは、本文内で提起している新しい出版ビジネスのスタイルを本書自体が実践しているところ(本文をそのままtwitterに投稿できるソーシャルリーディングのためのシステムや、章ごとに購入できる販売形態、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの使用など)。この一冊で電子書籍ビジネスを理論的に学べるとともに、その実体験までもができてしまう。
  
「ダ・ヴィンチ電子ナビ」を見ている方には、電子書籍を利用している方が多いだろう。その電子書籍が既存の出版ビジネスにどのような影響を与え、今後の出版ビジネスはどのように進化していくのか。こういったことに興味がある方には、間違いなくお勧めできる一冊である。

本文からそのままtwitter投稿や検索が行える。これは本文中で提案されているソーシャルリーディングの仕組みであり、その実践をその場で行えるようになっている

twitter投稿画面。ハッシュタグなどが自動で付けられており、感想などを加えて送信すればソーシャルリーディングの第一歩を踏み出せる

気になったページに折り目をつけることも。ページ下部にある丸いアイコンがクリエイティブ・コモンズ・ライセンス。このアイコンによって本文の二次利用の方法が明示される