宝の地図でも大航海でも無人島でもない、オトメのための乙女の冒険物語！

腰まであった長い髪に自らはさみを入れ、立ち襟のシャツに、優雅なタイ。下はズボンと上げ底ブーツ。
ベルベットの上着をまとい、兄の身代わりとして向かうは未知なる世界―王宮へ－

【ヒロ】今回ご紹介しますのは、『身代わり伯爵の冒険』です。

自分の顔と瓜二つの双子の妹激ラブな兄がまさかの駆け落ち!? それも相手は、いずれは王太子妃になる予定の令嬢で…!? 自分が、兄を駆け落ちへ走らせてしまったと感じたミレーユは、父が失脚するかもしれないとも言われ、この一件を放っておくことはできず、副官からの申し出―兄の身代わりとなって、宮廷にあがること―を引き受けるのですが…。

【ちまみ】きたわね、きたわね～。これぞ、オトメの王道物語！ 男装、身代わり、庶民から貴族の世界へ。オトメの願望がたっぷり詰まってて、一気に読んじゃった。いつもそばには、男前でさわやか好青年の副官リヒャルトがいてくれて！ ああ、なんていい世界なのかしら。

【ヒロ】いいですよね～、リヒャルト。オトメの心をときめかす言葉を、さらりと素で言ってくるものだから、ミレーユと一緒に、何度も赤面させられました。

【ちまみ】リヒャルトの、あの計算じゃないとこが素敵よね！ ミレーユの兄フレッドの親衛隊なる一団から大歓迎を受けて、ミレーユの頬に口紅がついたときも、リヒャルトはおもむろに手をのばして頬にふれて、軽くなぞるように口紅をぬぐってくれるのよね、親指で!!

【ヒロ】こういうちょっとしたしぐさも丁寧に描写してあって、挿絵がなくてもそのシーンを鮮明に想像できるんですよね～。

【ちまみ】クセ者、変わり者多数の王宮での、山あり谷あり波乱に富んだ日々。フレッドの駆け落ちに隠された意外な真実。そして、気になるリヒャルトとの仲はいかに…!?

【ヒロ】オトメにとっての冒険は、こんなところにも潜んでいるのだと教えてくれる冒険譚。

【ちまみ】日常からちょっと離れて、冒険に出てみたい女性にオススメの1冊です！

乙女心を傷つけられながらも、めげることなく夢に向かってばく進するミレーユ

ミレーユの夢は、シジスモンで一番のパン屋になること、だったのだが…

すべての元凶。事の起こりはこの一通から…

その手紙は、おそろしく楽天的な兄らしからぬ内容で…！