思考停止に陥る「収納破産」に注意!二度とリバウンドしない勝間式断捨離とは?

公開日:2016/7/9

2週間で人生を取り戻す! 勝間式汚部屋脱出プログラム

ハード : 発売元 : 文藝春秋
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:勝間 和代 価格:※ストアでご確認ください

※最新の価格はストアでご確認ください。

  勝間和代氏の最新刊『2週間で人生を取り戻す! 勝間式汚部屋脱出プログラム』は、その題名の通り“断捨離マニュアル”、そう家事本なのである。勝間氏といえば、話題豊富で多趣味、そしてズバズバと歯に衣着せぬ物言いで、マスコミでもおなじみの経済評論家だ。なぜ彼女が片付け本? 仕事ができる女性の鑑、みたいな忙しい著者・勝間氏のこと、掃除みたいなことは当然外注、リッチ&スマートな、それこそモデルルームのようなところに住んでいるだろうに…。そう思ったのは、私だけではないだろう。が、しかし、である。

 この本の序章で、それが全くの思い込みであることに気づかされた。著者は物があふれてどうしようもない、けれど片付けることができない、まさに“汚部屋の主”だったのだ!

advertisement

 物があふれて身動きできなくなると、「引っ越し」という最終手段を使って、強制的に物を捨てるというライフサイクルを繰り返していた著者。現在の住居もすでに物でパンク寸前、本来なら引っ越しの時期なのだが、今回ばかりはそれができない! 今住んでいる家の条件があまりに良く、同じ条件の物件を見つけるのが至難な業なのだ。この止むに止まれぬ理由から、ついに大の苦手である「片付け」と、正面から立ち向かうことになって…。

 この本には著者が悪戦苦闘の末、ついに発見した「誰でもものを捨てられて、そして二度とリバウンドしないための方法」がぎっしりと詰まっている。その語り口調は、まるで著者の講演を聞いているかのように、小気味好く滑らかだ。何より筆者独自の造語が面白い。例えば「収納破産」。「準備していた収納スペースを使い果たした」状況のことだが、こうなると人は、貯金が底をついて破産した時と同じように、「思考停止に陥る」のだとか。まさに言い得て妙! 精神論からの片付けのススメより、よっぽどわかりやすくて、納得できる。タスクマネージメント的な片付けステップも明快で、女性はもちろん男性にもウケそうだ。文末には汚部屋脱出のためのチェック表も付いていて、片付けを計画的に進めていける。まさに至れり尽くせり。

 断捨離により精神的、物理的、そして肉体的にもスリムになり、自己肯定感もぐっと高まったと語る著者。そろそろ50の声を聞こうという年齢で、なんと恋人まで手に入れてしまったとか! 断捨離するまで、全然縁がなかったのに、である。断捨離効果、恐るべし。こんな素敵な「報酬」が待っているなら、やってみてもいい、いや、ぜひやりたい! 片付けたくて体がむずむずしてくる、パワフルな1冊だ。


人間は基本的に「ものぐさ」で報酬がないと動かない…。だらしなくてもしょうがない、と肯定されているようで、ちょっと嬉しい

わわわ!まるで我が家を見ているようだ

アップルウオッチで実際に測っても、断捨離前後で運動量に大きな差があったそうだ。これは断捨離したくなる

お金、片付け、ダイエット、すべて重要なのはIn とOutの管理とは。この発想はさすが経済評論家だ

ボケ防止としても有効かも。ゴミ屋敷になってからでは遅いのだ

シートはとても使い勝手が良い。写真に撮り、客観的に見た部屋の状態は、思った以上にひどかった…