今の時代こそ求められる…男塾のスパルタ教育

全国から不良少年を集め、スパルタ教育を通して更生させる施設。それが「男塾（おとこじゅく）」です。

軍国主義的で過激なセリフや描写が散見されますが、すべて、塾生たちを立派な男に仕立てるという大義のため。初期はギャグ調が目立ちますが、巻を重ねるごとに格闘漫画へとシフトしていきます。

主人公の剣 桃太郎（つるぎ・ももたろう）をはじめ、個性的なキャラクターが縦横無尽に活躍します。いつ何時も「わしが男塾塾長、江田島平八（えだじま・へいはち）であるーっ!!」としか言わない江田島氏だけは、1巻から一貫して人間離れしたぶっ飛びキャラクターであります。

男塾には、下記のとおり、三つのおしえ（男塾三訓）があります。
ひとつ　塾生は忠節をつくすべし!!
ひとつ　塾生は武勇を尚（たっと）ぶべし!!
ひとつ　塾生は質素を旨（むね）とすべし!!
うーん、スバラシイ。

じつは、今年の春から、全国の中学校で、新しい学習指導要領が完全実施されます。いくつか変更の目玉があるのですが、そのなかのひとつに、「武道・ダンスの必修化」というものがあります。言葉のとおり、中学校教育のなかに、必修科目として武道とダンスを取り入れることになったのです。選択制ではなくなりました（ちなみに、「武道」は柔道、剣道、相撲のいずれかを学校が選択します）。

文部科学省いわく、

●武道は、武技、武術などから発生した我が国固有の文化であり…武道に積極的に取り組むことを通して、武道の伝統的な考え方を理解し、相手を尊重して練習や試合ができるようにすることを重視する運動です。
●ダンスは、「創作ダンス」、「フォークダンス」、「現代的なリズムのダンス」で構成され…仲間とともに感じを込めて踊ったり、イメージをとらえて自己を表現したりすることに楽しさや喜びを味わうことのできる運動です。

…とのことで、各学校では、これまで実施に向けて、費用面や設備面、安全面などで努力をしてきました。今年、成果がようやく目に見える形になります。

「武道・ダンスの必修化」のねらいは、礼儀や礼節を知り、また他者とコミュニケーションを取りつつ、日本の伝統文化に触れること、などです。

見よ。1巻の1ページ目から、このテンションと勢い。あなたはついて来られるか

こういう教育（上のコマのスパルタ教育）が昔ではなく現在行われている、ということにガクゼンとする教育省のお偉方（ページ下のコマ）

塾生たちのりりしい顔つきったら！

主人公の剣 桃太郎（つるぎ・ももたろう）。クールな一号生筆頭。イケメンでも男子校なのが残念至極

教官の命令であれば、ヤクザの事務所にも単身乗り込む　（Ｃ）宮下あきら