「運命の手帳」に名前を書かれた男の身にふりかかる、ありえない出来事とは…?

小説・エッセイ

更新日:2012/1/11

雨の日も、晴れ男

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 文藝春秋
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:水野敬也 価格:420円

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神様のシュナとワンダーは、「運命の手帳」に名前を書いた人間を不幸にするイタズラを試みることに。二人が選んだ男は、ロンドンに住む平凡な男・アレックス。ごく普通のアレックスの身に、とんでもない出来事がふりかかることになる…。

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神様のイタズラで、平凡なサラリーマン・アレックスの身に様々な災いが起こります。まず最初にアレックスにふりかかった出来事は、目覚まし時計が止まること。私自身も経験がありますけど、朝起きて目覚まし時計が止まっていることに気づいた瞬間って、頭の中が真っ白になりますよね…。何度も時計を見直して、秒針が止まっていることを確認して。で、数秒経ってからようやく事の重大性に気がついて。「お願いだから寝てるときに電池切れにならないで~!」なんて、頭の中で絶叫したものです(笑)。私の場合は幸いそれほど遅く起きたわけではなかったので、急いで支度をして仕事には間に合ったのですが、残念ながらアレックスは、起きたときには完全に遅刻の時間でした。

でもここでアレックスがとった行動がすごいんです! なんと時計にもう一度アレックスを起こすチャンスを与え、二度寝しちゃうんです。で、結局二回目も時計はアレックスを起こさなかったんですけど、それを彼は、時計が最近疲れ気味のアレックスの体を癒すためにわざと起こさなかったのだと解釈するんです。会社には完全に遅刻したんですけどね…。

それ以降もさまざまな不幸な出来事がアレックスを襲うわけですが、本来なら顔面蒼白になるようなハプニングでも、アレックスはびっくりするような解釈で乗り越えてしまうので、人生は物事の解釈次第で結構変わってしまうものなのかもしれないなぁ…ってしみじみ感じました。アレックスがどのようにしてハプニングを乗り越えていくのかが気になって、一気読みでした。

シュナとワンダーが「運命の手帳」に書いた内容です

アレックスは止まった時計をこのように解釈しました

物語の途中に描かれているイラストも魅力のひとつです

お好みで端末を横向きにすることもできます