こどもは甘やかさない! あくまで「強気」の子&親育て指南本!
公開日:2012/1/20
一大ブームとなった「女性の品格」を書いた著者による次なる「品格」もののテーマは親。まだ小さな頃から、思春期、大人になるまで、さまざまな年代にわたる子どもとの付き合い方についても言及しているあたりは、さすが年の功。
全体の印象は女校長先生のありがたいお話といった感じで、なんとなく昭和的な(ちょっと古くさい)「厳しきよき親」像という感じ(ちなみにイメージは「とーちゃん&かーちゃん」ではないとこがミソ。なんたって「品格」ですから!)。
あくまで現代の核家族化、共働き化した社会において役立つ視点ということになっているが、著者の子育ての実践が一億総中流といわれた「安定」の時代に培われたところもあって、やや理想的な感じもいなめない。ちなみに女性に不利な時代に一線で働いてきたことへの著者の自負のせいか、全体に「強気」なのが最大の味。「こどもは素晴らしい」系の寄り添い型の内容ではなく、「親には親の世界がある」という個人主義的な意識が微妙に透けて見える感じで、とにかく「こどもを甘やかすな!」が最大のメッセージになっている。なお成長した子どもとのつきあいへの言及は、「別人格と割り切りつつも心配しちゃう」という、親の二面性を認めているところもあって、著者にとっても直近なのか妙にリアリティがある(笑)。
ちなみに「親」とはいうものの、やはり「女親」の理想像という印象なのは、父性が失われた時代の中で、母は父の役割もしてかなきゃならない、と暗にメッセージされてるんだろうか…。いずれにせよ教育関連の仕事に従事してきた人らしいキッパリとした物言いは、子育てに不安になりがちなマジメ派の親にとってみれば「先達からの指南」として、心強い存在になるのかも。
はじめにより
引き続きはじめに。少々きびしいかんじです
目次1 小さいころからびしっと!
目次2 自分が死ぬまで人生長きにわたる教訓が満載
甘やかすとモンスターになっちゃいますよ!(第1章より)