関門海峡で繰り広げられる狂言誘拐ミステリー

小説・エッセイ

公開日:2012/1/30

もう誘拐なんてしない

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 文藝春秋
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:東川篤哉 価格:486円

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夏休みに先輩のたこ焼き屋体でバイトをすることになった、下関の大学生・翔太郎。ところが売り上げに苦戦して、対岸にある門司港まで行くことに。そこで翔太郎が目撃したのは、怪しい二人組に追われているセーラー服の少女。翔太郎は少女を助けるため、一緒に逃げることになる…。

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最初はコメディかな? と思いながら読み進めていました。翔太郎と絵里香のやりとりがとてもおもしろいですし、翔太郎の先輩・甲本との会話もかなり笑えますし。

3人で狂言誘拐をして、身代金を無事ゲットして、でも朝起きたら仲間の一人に裏切られて…と、とても楽しく読み進めました。でも突然、梵天丸の甲板で血痕が見つかって…。釣った魚の貯蔵庫から死体が見つかったときは、「ええっ!? こんなところに!?」って心の中で絶叫しました。

笑いながら読んでいた小説が、実は本格ミステリーだったなんて…。本当にびっくりです。しかもその後の皐月(絵里香の姉)の推理が本当に素晴らしい! 全く予想してなかった犯人&トリックだったので、かなり驚きました。

残念ながら私、下関も門司港も両方とも行ったことがないんです。作品を読んでいて、下関と門司港に行ってみたいなぁ…と思いました。身代金の受け渡しの場所になった関彦橋とか、海峡の潮の流れを表示している電光掲示板など(絵里香はこれを、野球に関係があると教わっていました)、実際に見てみたいですね。

物語の舞台です

絵里香は電光掲示板を野球に関係があると教わっていました

端末を横向きにするとこんな感じです