禁断あってこその愛の強さ、タブーを超えて愛したあの著名人たち
公開日:2012/2/15
世界禁断愛大全 「官能」と「耽美」と「倒錯」の愛
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : 文藝春秋 |
ジャンル:小説・エッセイ | 購入元:eBookJapan |
著者名:桐生操 | 価格:473円 |
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愛なんていまやどんどん野放図になっていまして、SMクラブのステージで全裸になって縛られてた警官がこないだ捕まったなんてニュースもありましたが、それはわいせつ物陳列罪で摘発されたんで、SMがおとがめを受けたんではないのでありました。だいたいそいつ警官のくせしてしょっちゅう人前で裸になってんの警察内部で目をつけられてたに決まってて、そうでなけりゃSMクラブなんて囲碁クラブとそう変わらないあつかいだと思いますよ、国家権力にとって。
ですが、20世紀の前半、もちろん19、18世紀、いろいろ禁断視されていた性愛の形があったわけです。有名人たち、著名人たちが直接にかかわっていたそうした禁断の愛のあれこれをです、ホモセクシュアル、近親相姦、ロリータ・コンプレックス、サディズム、カニバリズムと、5つのジャンルにわたって見てみようというのが本書の、なんといいますか実に興味本位丸出しの、それだけに面白いっちゃあたまらなく面白い、趣旨であります。
「ホモセクシュアル」の章に、オスカー・ワイルド、ヴェルレーヌとランボー、そしてトルーマン・カポーティなどの並ぶのは、定番ですね。ここはまあ逃せない事実の再確認といった具合でございましょう。
「近親相姦」に、あの「嵐が丘」で有名なエミリ・ブロンテの名があらわれるとちょっと色めき立ちませんか。ほとんど家から出ることもなく一生を閉じたこの不可思議な女性にまた神秘のヴェールが一枚かかったというか。
現在最も禁断とされているロリータ・コンプレックスの章に、いきなりチャップリンとヒトラーの名が立て続けに並んでいるのは、意味深です。だってチャップリンと言ったら、ヒトラーの台頭前にいち早く「独裁者」という映画を撮ってヒトラーとその思想のあやうさを訴えた人じゃないですか。その2人が揃ってロリコン?!
人間て不思議、そうしみじみ感じたい人にもってこいの1冊です。
そうそうたる目次 その1
その二
その三
「幸福の王子」オスカー・ワイルド作ってほんとうか? (C)isao Kiryu 2010