飲食業界で次世代のエースといわれる経営者が語る、新しい時代の経営指南書!
公開日:2012/2/20
1軒のカフェバーから出発し、アロハテーブルをはじめとして1店舗ごとに異なる店舗づくりを進めてきた飲食業界のユニーク企業、ゼットン。同社は新興市場に株式上場をしており、本書は社長の稲本健一氏の経営指南書なのですが、その内容は、今の時代感覚を反映した店舗・会社経営を感じさせる、まさに新しい時代の経営指南書!
なぜなら、大切なのは「ノウハウ」ではなく「考え方」であり、それは会社経営だけでなく、働く人たちの生き方の根幹をなすものだからです。
「経営理念を朝礼で唱和するのは性に合わない」「辞める従業員を温かく送り出す」「騙すくらいなら騙された方がいい」といった、穏やかな中にも強い信念を感じてしまうのは、ふとけんだけではないでしょう。
また以下のように見出しが一見「?」なものもありますが、言いたいことが伝わってくるところがユニークです。
■ハワイ 自転車 飲食店
■カジュアルリッチの時代
■フジワラさん
■メール
■呑み道
■サイボーグ009
■墓参り
そこから読み取れるのは、今を感じながら業態開発していく飲食業界の経営者のアタマの中ですが、エッセー風の文章ですらすら読めてしまいます。自分のお店や身の回りで起こった出来事など、具体的なエピソードも満載です。飲食業のもつエネルギーに惹かれ、大きな可能性を感じている空気が、伝わってくるのです。
ノウハウ・ハウツーに頼りがちな時代かもしれませんが、稲本氏の考え方に触れることにより、多くのインスピレーション(ひらめき)やインプリケーション(示唆)が得られることは間違いないでしょう。仕事として飲食業界に接点が全くないふとけんではありますが、それでも共感&納得する場面、多数でした。
巻末には、2005年11月から2009年5月までの社長ブログがそのまま収載されていて、またこの1月より稲本氏のブログも再スタートしているようです!(http://ameblo.jp/zetton-17/)
本書を期に飲食業界の経営者に限らず、多くの方が刺激を受けることを期待してやみません。
タイトルは一瞬、ネガティブっぽいのですが、稲本氏の飲食業に対する愛にあふれた内容です
本書は100%本音。飲食業界の厳しい現実に目を背けることなく、正面から向き合っていて、共感度が高いです
収載されている社長ブログ。イナケンこと稲本社長の角度を変えた「感じ方」がわかります
デフォルト設定で700ページ近いボリュームにも関わらず、本書に章立てはありません