愛すべきバカ親達、父は偉大なりっ!
公開日:2012/2/28
みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。プロレスは全日派(馬場さんの方)だった中國卓郎です。
以前、ダ・ヴィンチラジオの収録の合間にパーソナリティー3人で「文章って、自分に合う合わないってあるよね!」なんて話で盛り上がりました。僕はいつも自分好みの文章を読むと、渇いた大地に水がグングンと浸透してイクかの如き気持ち良さを感じます。さらにそこに作品の面白さが加わったりしようものなら、そりゃもう発芽をすっとばして開花ですよそんなもん!
…と、なんだかボンヤリしたたとえで申し訳ないですが問答無用で続行しまして、とにかく中島らもさんの作品を読むってことは僕にとって「開花宣言」であり、読了後は確実に「満開」です! その雑味がなくストレートに心に届く文章は「空き時間に少し読み進めるか」なんて思っても、結局は時間を忘れて没頭してしまうのです。実際、本書も(短編集なので)一遍づつ読もうと思っていたはずが、結局一気に読んでしまいました。
全4話、主役は全員お父さん。そして全員が破天荒であり痛快です! プロレスラー、落語家、魚河岸の仲買人、TV番組制作と職業はそれこそ“四者四様”ですが、彼らに共通して言えるのは子供との「距離感」が絶妙ってことです。全体的にホノボノした作品ですが、表題の「お父さんのバックドロップ」はちょっと熱く、そしてジンとさせてくれる名作に仕上がってます。
また、本書は「子供達へ向けた作品集」的なコンセプトとなっているため、いつも以上に文章がストレートで浸透率が高めです。そして「あとがき」がまた良いのです。「おとな」ってどんなものかを子供にわかりやすく説明した文章、これを大人が読むと…嗚呼、本当にグングンと心にしみこむわ~!
全4話、どれも「お父さん無双」状態
子供でも読みやすく、(もちろん)大人でもおもしろく読めます!