人間と吸血鬼のハーフくんを巻き込む、学園ファンタジーなラブコメディ

ライトノベル

公開日:2012/3/3

ガガガ文庫 えくそしすた!

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 小学館
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:三上康明 価格:324円

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サクサクっと読める、学園×ファンタジー×ラブコメなライトノベル。
主人公は男子中学生の黒羽デモン。人間と吸血鬼のハーフくんです。

デモンって…。人間と吸血鬼のハーフって…。設定から飛ばしています。エンジン全開です。そんなデモンくんが思いを寄せるのは、かわいい七竈(ななかまど)あかり。現・生徒会書記で、次期生徒会長の最有力候補、そしてデモンの幼なじみちゃんです。

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――ある日の登校時、あかりからデモンに相談が。
「お願いがあるの」
「デモンくんじゃないと頼めないの」
「放課後に部室で待ってるね」
どんなお願いなんだろう、と想像力をフルに働かせ、一人でドキンドキンするデモン。

待ち合わせは、2人のみが在籍する「映画部」の部室。
そして、やってきてしまった放課後。デモンとあかりは、ついに…――

といったキワドイ冒頭(?)。そのうち使い魔が出てきたり、退魔士(エクソシスト)が現れたりで、ザ・コメディ的なドタバタ劇が繰り広げられます。

ところで、吸血鬼って、どうしていつの世も人気を集めるのでしょうか。
少年も少女も、青年も乙女も大好きですね。

主人公の黒羽デモンもそうですが、吸血鬼というと、圧倒的な能力を持ちながらも、意外と弱点が多い。十字架だったりニンニクだったり。例えば、スーパーヒーローが天然だとか、超絶美少女なのにコミュニケーション能力に難有りだとか、そういったギャップ萌えと似たような部分があるのかもしれません。日本人はスーパーマンより足かせをはめられたヒーローを好むなんていわれますが、吸血鬼の、無敵に見えて脆いという危うい存在感が、海外の怪異であるにも関わらず、日本人の心をくすぐるのかもしれません。また、「不死の存在」「生と死を超越した存在」ということも、特に若者の心をトリコにするのかもしれません。

多感な若者時代は、“命”というキーワードに敏感です。
さまざまな物語で、不死を求めて滅んでいくアワレな大人が描かれますが、多くは若者が読者に据えられます。じつは、仏教でいう「諦観」的な諦めが備わるとされる高齢者より、まだまだやりたいこと三昧な若者の方が、不死に魅力を感じるのかもしれませんね。

だとかなんとかいろいろと書きましたが、そんな超存在な吸血鬼の血を半分受け継ぐ主人公デモンは、本作でどんなヒドイめにあわされて、どのようないい思いをするのでしょうか。


「ん、どうしたの、デモンくん」って…。呼び慣れたら、デモンくんっていうかなり怪し気な名前でも、フツーになるんでしょうね

大好きなあかりちゃんが折り入ってのお願い。ところで、デモンくんの特殊な才能が「体が頑丈で治癒能力が桁外れ」…って。学年トップ3に入る成績以上に魅力的かもなんですけど

お願いって、じつは動画撮影でした。でも何の…?