宮司に住職に牧師…嫁になるならどれがいい? 

更新日:2012/3/8

読経しちゃうぞ!

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 小学館
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:絹田村子 価格:432円

※最新の価格はストアでご確認ください。

宮司の息子・相澤恭太郎、住職の息子・伊波孝仁、牧師の息子・綾本工が繰り広げるコメディちっくなお話。

それぞれが「○○の息子」であるために、苦労してきた幼少期~中学時代。高校ではそれぞれ自分の家のことは隠していたのだけれど、ふとしたことでバレてしまう。しかし、互いの境遇に理解があるため、すっかり意気投合…。

advertisement

家の苦労もさることながら、彼女ができないという点でも3人は苦労しっぱなし。
確かに宮司や住職、牧師の嫁、という生活は想像がつかないような…。
(そういえば、お坊さんも合コンに行くという話を小耳に挟んだことがあるが、実際問題、その辺りはどうなんだろう…。蛇足だが)

それぞれが跡取り息子であるために責任は重大。宮司は気になるあの子と初詣でにも行けないし、住職はお盆の時期は檀家回りで膝がたたなくなるほど。牧師には当然クリスマスデートなんて縁遠い! 3人のうち、誰かに意中の彼女が現れた時は協力するものの…!?

恋もしたいけど、家のこともやらなきゃいけない! という姿はなかなか微笑ましい。ひとりぐらい「親の敷いたレールには乗らないぜ!」と言うような人物がいるのかと思いきや、3人とも、前向きに受け止めて日々の仕事に取り組んでいる。「そんなに親に逆らうなよ」というハラハラ感も醍醐味だろうが、ほのぼのとしているために読後感が非常にさわやかだ。将来を迷っている人なら、読んだあと、何か開けてくるかもしれない

また、こういう特殊な世界観だと、小難しくなったりするのでは…と感じるところだが、それぞれの仕事の様子をサラリと描いているので、スルスルと読み進めることができる。神妙に読経しているお坊さんにも、どんな裏事情があることやら…などと考えてみると、少し親しみが持てるようになりそうだ。

さて、この『読経しちゃうぞ!』は短編集だが、その後『さんすくみ』というタイトルで連載化されている。果たして、3人に嫁候補は現れるのか、仕事の案配はどのようなものになるのか…。本作のあとは『さんすくみ』も読みたくなることは間違いない。


目次からすでに家業の匂いがそこはかとなく

家業が原因で!? フラレ続けてきた恭太郎

美しきジュニア世代の愛…嫁さがしは死活問題とな!?