自分の人生は自分で守れ。ひろゆき流無双の「守り方」と「攻め方」

ビジネス

公開日:2018/8/6

『働き方 完全無双』(ひろゆき/大和書房)

 働き方改革法案が通った。日本政府と与党が、今国会の最重要テーマとして掲げていたものだ。しかし、形式だけ整えてもそれが実生活に寄り添うものでなければ、ただの絵に描いた餅だ。いまや「働き方改革」という言葉はさまざまな場所で耳にするがその解釈は企業によりさまざま。向かうべき方向に進んでいるのか、疑問が残る。

『働き方 完全無双』(ひろゆき/大和書房)は、そんな生ぬるい「働き方改革」に対しての、“大論破祭”だ。著者のひろゆき氏(西村博之氏)は、匿名掲示板「2ちゃんねる」や「ニコニコ動画」の開設者。現在は英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人を務めるかたわら、多くの企業に携わり、企画立案、サービス運営、プログラマーとしても活躍している。

■「ヤバい国 日本」で「無双状態」で働く

 本書の目指す「働き方 完全無双」は、“個人の「攻め方」「守り方」をマスターし、企業の「論理」を身につけて、業界としてよりよい「環境」に身を置く”こと。沈みゆくこの国で、他人と同じ働き方をしていてはみんながやられてしまう。それを避けるための「別の生き方」、人生の「抜け道」の伝授だ。本書では、個人の「攻め方」、「守り方」を各々4章にわけて紹介している。生き残るためにはどうすればよいのか。

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■無双の守り方、攻め方

 ひろゆき流「攻め方」、「守り方」の中から、誰でも比較的容易に取り組むことができそうな例を挙げよう。

・個人の「守り方」無双 ―「笑顔の人」は損しない

 現在、フランス在住の著者。言葉も通じず、面倒なことに翻弄されるが、常に人に対してニコニコしているという。日本人は礼儀正しいといわれるが、「笑顔という礼儀」については、日本以上に大切にする国もある。対タクシードライバー、スーパーのレジ、映画館のチケットを切る時、エレベーターで乗り合わせた時、道ですれ違った時など「こんなところでまで」という場面でも、相手に悪く思われないようニコニコしていることは絶対に得だという。

・個人の「攻め方」無双 ― ひろゆき流「さっさと寝る」技術

 いつでも正しく頭が回るように、著者は睡眠を削らない。寝付けない人には「連想睡眠法」をすすめる。これは、英単語をひとつ思い浮かべ、最初のスペル、例えば「S」で始まる単語とその絵を思い浮かべる。例えばsnow。次に、snow以外の「S」で始まる単語を思い浮かべる。このときに、先ほどの単語とはまったく無関係なものを思い浮かべる。この方法のポイントは、「無関係の言葉を考える」というところ。物事を関連させて考えるとき人は「頭を明晰に」保とうとするが、まったく関係のないことの連続だと「頭を休めろ」というスイッチが入る。それを続けているうちに、眠りに落ちるのだという。

 この他にも、日本という国が無双になるための、ひろゆき流持論を展開する。「みんなと同じ」に安住してきたこの国の未来を、そろそろ本気で考えないといけない

文=銀 璃子