楳図かずお的「猫を殺せば七代祟る」の恐怖

公開日:2012/3/18

ねこ目の少女

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 小学館クリエイティブ
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:楳図かずお 価格:432円

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本作は、ほぼ半世紀前の1965年に、講談社から発行されていた少女コミック雑誌『少女フレンド』に4度連載された作品を、単行本として復刻したもの。
楳図かずお恐怖ワールドの原点です。

江戸時代、極度に猫嫌いだった加賀家の領主家に生まれた双子の娘。その一人に取り憑いた猫の怨念が、現代を生きる双子の子孫によみがえり…。

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猫はお好きですか?
猫派に猫が好きな理由を聞いてみると、一匹オオカミ的なところがたまらん、といった意見が特に多いようです。アニメの美少女キャラで、猫耳付きや語尾に「にゃあ」をつけるなど猫キャラが多いのも、犬のように従順な少女より、すねたり甘えたりと自由奔放な少女の方が萌えるからとかどうとか。

祟りの中でも有名なものに、猫の祟りがあります。
「猫を殺せば七代祟る」なんて、猫の執念深さや魔性が際立つような俗説があります。動物霊は猫だけではありませんし、祟るのは自然に宿る神仏や時には人間であったりするのです。ちなみに、昔話や落語などの中で猫の祟りがよく出てきますが、やはり家ペットとしての犬に対比してのイメージからきているのでしょうか。

祟りというのは、自分の外に原因があるようで、じつは自分の内にある、といわれます。つまり、「自分が祟られていると認識することによってかかる自己暗示」というやつで、どんどん祟りがエスカレートしていく。いわば、偽薬を服薬して病状が回復する「プラシーボ効果」のようなもの。

命の尊さをまだ知らない子どもが、平気でアリをはじめ生き物にいたずらをするのを止めさせるために、大人が祟りのような話をしたりします。本作もまた、読者である少女に向けてそのような意味を持たせた面もあるでしょうが…それにしても猫目が怖すぎてトラウマになることうけあいです。

あ、トラウマになるくらい衝撃的だから、祟りの意味があるんですね。


「生類憐みの令」で犬などを保護した将軍もいましたが。この殿様は猫がおきらい

殿様が授かった双子の娘の1人が、皮肉にも猫目に

歳月が経ち、殿様の子孫に女の双子が生まれ…

祟りが現代でよみがえる恐怖 (C)楳図かずお/小学館クリエイティブ