あひるになるか、白鳥になるかは自分次第!?

公開日:2012/3/27

あひるの王子さま 1

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : マッグガーデン
ジャンル:コミック 購入元:電子貸本Renta!
著者名:森永あい 価格:315円

※最新の価格はストアでご確認ください。

不細工で中身もダメダメな白鳥麗一。でも、交通事故に遭ったのがきっかけで、なんと麗しい美少年に…!?

母も3人の姉も美しいというのに、麗一ときたら、チビでブサイクで髪型はヘルメット。オタクで学校でいじめられ…といいとこなし。ところが、交通事故で大けがを負い、次に目を覚ましたら、長身の美少年になっていたのだから驚き。事故で顔の損傷が激しかったから、整形を…ということだったのけれど、実はこれには不思議な力が影響していた。

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魔法使いが出てきたり、本物の王子様が出てきたりするのだけれど、そのあたりはあまりフィーチャーされていない気がする。それよりも何よりも、この作品のキモは「外見」ではないだろうか。

「人間、見た目じゃない」と大人は言うけれど、やっぱり、見た目というのは大切。コミカルに描かれているけれど、美少年になったとたんに麗一の周りの反応はすっかり変わってしまう。しかし、麗一は中身を一向に変えることができずに、いつまで経ってもだめんずのまま。ずっと好きだった女の子にもアタックすることができずに、ウジウジ。ひたすらウジウジ。それがどのように変わっていくのか(果たして変わっていくのか…?)に注目である。

読んでいると、「やっぱり、人間って見た目か…」とため息が出てしまう。
でも、実は、問題はそこじゃないんだ、というのが読み進めていくうちにじわりと分かる。見た目がよくったって中身がダメだったら幸せにはなれないし、逆もしかり。まずは「自分なんて…」と卑下せず、まずは自分が自分を好きになってあげなければいけないのだということを思い知らされる。それにしても、見た目の悪さをとことん突っ込んでいる割に、あまり悪意を感じないのはギャグセンスが高すぎるゆえか…。

蛇足だが、世の中の人はみんながみんなイケメン&美人が好きだというわけではないのでそんなに悲観しなくてもいいのかなぁ…などと、妙に自分を励ましたくもなる作品だったりする。


ずっとあひるだと思っていたのに、実は白鳥だった…これにこの物語のすべてが詰まっている

ヘルメット頭のころもそれなりにかわいいが…

思わず自分も見とれるほどの美少年になってしまうとは