“にわかシャーロッキアン”と言われないためのファーストメソッド!
公開日:2012/4/5
世界一有名な名探偵といえば、やはりシャーロック・ホームズ。実写化などはとどまるところを知らず、ブリテン島より遠く離れた極東日本においては、犬にされていたりするほど愛されています。つい最近では、新作の映画も封切られ、人気はますますうなぎ登り。世界中で面が割れすぎて、さぞかし仕事がしづらいことでしょう。
タイトルをちょっと一見しただけでは解りづらいですが、本作がそのホームズシリーズの貴重な第一弾(学校の図書館などの記憶を辿ると、「シャーロックホームズの〇〇」といったイメージ)! ホームズ卿とワトソン博士の出会いなど、シリーズの原型が読めるのは本作だけであります。映画からホームズファン(シャーロッキアン)になった方も、コレを押えておくと、ひとまずにわかとは呼ばれないでしょう(ひとまず、ですけれど)。
そんなわけで、本作にはホームズの魅力がこれみよがしに登場します。わずかな観察だけで相手の素性をズバリと当てる有名な“職業当て”や、警察が助けを乞いにやってくるほどのずば抜けた推理力、洞察力。
彼は作中で、
「手品師の種明かしみたいなもので、種さえ知ってしまったらどうってことはないことなのさ」
と自身の探偵力を謙遜するのですが、むしろ種を知ってからの方がすごいのです。
「このステージはとりあえず敵にあたらなきゃOK」
みたいなできる人の理屈を言われても無茶ってもんです。
親切にもホームズは仕掛けを明かしてくれますが、結局できるのは明智小五郎とか工藤新一みたいな“超人に限る”のですからね。とはいえ、そんな偏屈なだけではないキャラクター性なんかも、実にステキです。
また、ホームズの仕事の速さも、その名探偵たる所以のひとつでしょう。
名だたる名探偵の中でもグンを抜いたスピード感です。とにかく、ホームズ卿は仕事が速い速い。冗長な説明はほとんどなしに、ズバッと参上、ズバッと解決、という具合で、結論をいきなり述べる様子は、さながら犯人を知っている読者のネタバレ発言のよう。逆に贅肉がなさすぎて、ホームズのワープ航法に置いて行かれそうになる事もしばしば…。
ですが、我ら凡人の味方、ワトソン博士がいるおかげで置いて行かれても大丈夫。戦争帰りの負傷兵で、実はあんまり満足に歩きまわれないような半病人の彼が、その都度我々と一緒に置いてきぼりになってくれるので、非常に親切であります。しかし、のっけから酷い傷病の身とは、かわいそうなワトソン。医者の不養生を地で行く彼には、感謝です。
無職の超人ホームズと半病人のワトソン博士。屈指の黄金コンビによる、安心設計のワープ航法。ぜひご体感を。
泣きっ面に蜂のワトソン。体力レベルは“日光浴が軽くできる程度”
「君は1足す1が分からないのか」と言われても素直なワトソン
機能面では、かなり細かくカスタマイズ可能