期待を遥かに超える「ブス」が教えてくれるものとは…？

中一からひきこもりのチコは唯一の父が他界。天涯孤独の身になってしまう。
そんなチコの元にやってきたのは「お父さんにチコちゃんのことを頼まれた」という女性。その名はトモ。そして、一度見たら絶対に忘れられない強烈なブス。トモに導かれるようにして、チコは外の世界を知っていくようになる。

今まで、家の中にずっといたチコがトモによってその世界観を一変させられる。
チコを働きに出そうと言うことで連れ出されるんだけれど、いつの間にか風俗のあっせんをしている男と知り合いになってしまうし、女子美大のヌードモデルをやらされてしまうし、さらには綺麗な女の人とキスまで…！

あまり知られていない世界を次々と体験していってしまうのである。しかし、それでチコがイケナイ世界に走ってしまうわけではない。「こういう世界もあるんだなぁ」とすごくピュアな心で受け止めて、吸収していく。ピュアであるがために、少し人とはズレていて、危なっかしく感じられるところもあるんだけど、それもまたかわいい。

毎日、いろんなことが起こる。そして、やがて実感する。
「今日あったできごとを話せる人がいるって素敵だ」
この事実は、なかなか気づくことができないものだ。

あっさりと気づけたのは、チコがピュアだったから。日常の生活の中で、知らぬ間に心って汚れていってしまっているのだろうか。当たり前のことに気付けない、というのはとても悲しい。

…と真面目なことを書いたわけだが、トモちゃんが本当にブスで夢に見そうだ。
ブスだってタイトルで言われているんだから、ハードルは上がってる。でも、その上を軽く越えていくほどのブス（そして、こんなにもブスの二文字を連打したのは初めてかもしれない）。

ちょっと、ひどい。個性だ。
特に、トモちゃんの寝顔は必見です！