鳥か、飛行機か、いや幽霊船だ! 空飛ぶ幽霊船が世界を救う!
公開日:2012/4/25
幽霊船
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : 石森章太郎プロ |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:石ノ森章太郎 | 価格:324円 |
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何故、この本を手に取ったのかというと…それは僕が子供の頃に、この漫画のアニメを見たことがあるからなんですね。その頃は石ノ森章太郎さんが描かれた物語ということはまったく知らず、ただただ子供向けなのにもかかわらず不思議な毒を持っていたアニメだなぁという印象を以ていました。どうやら、かの宮崎駿さんもアニメーターとして参加されていたようですので、興味のある方はぜひご覧になってください。
さて、数十年の時を経てその原作に目を通したわけですが、かなりテイストが異なる仕様になっていたように思えます。「空飛ぶ幽霊船」という不動のコンセプトはまったくブレていないのですが、アニメの方はよりマスメディアに対しての警告を暗示するメッセージ性が強かったように思えます。プロパガンダに対するアンチテーゼが、おそらくは幼少の僕にとってはある種の毒のように映ったのでしょう。
しかし原作のテイストはどちらかと言えばかなり人間味あふれる仕様になっており、毒気を抜かれたように見受けられましたが、おそらくはそもそものコンセプトが違っていたのでしょう。
こちらは「親子関係」と「冒険活劇」に焦点が絞ってありとても読みやすくなっています。主人公のイサム少年と数年前に亡くなったとされる彼の両親、そして現代に現れた謎の幽霊船。その幽霊船の船長の面影に見覚えのあるイサムは徐々に真実に迫っていく。そんなサスペンス調が本作の一番の醍醐味でしょう。そこに加えて石ノ森章太郎お得意のSF設定がこれでもかと光ります。ただし、登場するロボットなどの名前のネーミングセンスにはやや時代を感じてしまいましたが…(笑)。
しかしなにはともあれ、それだけ原作の強度が高いが故に映像にしてもしっかりと映えるのでしょうね。テイストが違うと言ってもやはりアニメも漫画も石ノ森作品なんだと感じさせてくれる冒険心がありました。子供の頃に読んでいればなおのことに楽しめただろうなあと今更ながらに後悔しています(笑)。なので、僕は今の子供たちに読んでもらい、ぜひとも心躍るようなワクワクを味わってほしいと思います。
この物語のキーになる幽霊船が登場
少年イサムとその父親、そして空飛ぶ幽霊船が今後の嵐を予感させる
SFには欠かせない巨大ロボット
ここで満を持して幽霊船長が現れる
幽霊船の仲間を装って街を破壊し始めるロボットを止める手立ては… (C)石森章太郎プロ