背負うものこそが、男を強くする! 子連れ狼、ここに見参!
更新日:2012/5/21
子連れ狼 (1)
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:小池一夫劇画 | 価格:324円 |
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最近、ニコニコ動画によく顔を出している漫画の原作者、小池一夫氏の名前を見て勢いで購入してしまいました。
現在、漫画で培った「キャラクター新論」という、いかにおもしろいキャラクターを産み出すかを提唱している同氏なので、その一端を見たいという一心で手にとってみましたが、一気に引き込まれましたね。
子連れ狼こと拝一刀とその子供、大五郎の徒然なる修羅の旅を綴った傑作です。いわゆる拝一刀は賞金稼ぎの流れ者のようなものなのですが、一話の入りでは一切の情報が開示されていません。すでに拝一刀が大五郎を背負っているので、二人がいかにして出会ったのかは語られていないのです。そしてひたすらに拝一刀の抜け目ない挙動に目を奪われ、あっという間に狙った獲物を切り捨てている様は本当にカッコイイと思いましたね。
口数が少なく、愛想がない。道を遮るものには容赦なく、依頼された仕事は確実にこなす。この劇画全盛に興盛を極めた人物像ですね。そこに子連れというハンデを加えるだけでんこんなにもおもしろくなるものなんですね。とはいえその大五郎もハンデというよりは、むしろ所々で窮地に活躍するのでニヤリとさせてくれますね。敵となる人間は大五郎が子供ゆえに、みんな油断しちゃうんですよ。そのあたりが設定の妙ですよね。
「渋い」「いぶし銀」なんて言葉がぴったりの男、拝一刀。口で語らず背中で語る、その権化ともいえる人物に酔いしれてみるのも一興です。むやみに命を散らすことを嫌い、命を救うために娼婦を人前で毅然と抱くシーンには惚れてしまいかねない何かを感じてしまいます。
こんな魅力的なキャラクターをつくる小池一夫氏の著書をもっと読みたくなるような1冊です。
日照りの乳母車に、横たわる大五郎
襲いくる難敵に殺気を際立たす拝一刀
娼婦のために文字通り人肌脱いでみせた拝一刀
拝一刀に救いを求めた娼婦は、拝一刀に男を見た (C)小池一夫・森秀樹・小島剛夕/小池書院