子供にも大人にも! 一緒に読んで考えたい「日本人ってどんな?」

更新日:2011/9/6

キミは日本のことを、ちゃんと知っているか!

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : PHP研究所
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:齋藤孝 価格:800円

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著者のお名前、どこかしらで名前を拝見してきましたが、読むのは今回初めて。

読む前にざっと著書をリサーチしてみると、教育論に始まって、ビジネス書や成功法則といったジャンルまで幅広く手がけています。「声に出して読みたい日本語」は海外にいる私でも聞いたことのあるベストセラー本。

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今回の「ガツンと一発」シリーズは小学校低学年~向けの本です。漢字全てにルビをふってあり、子供にとっては読みやすさ抜群。ぱらぱらと読み始めて、つい、自分の小学校時代を思い出しました。

80年代の小学生には「海外=憧れ」。80年代の小学生の読書圏で「海外」と関連したものは、外国の物語の翻訳とか外国人の偉人伝、社会科や地理での国土・文化比較が主流で、この本のように、シンプルで重要な切り口はなかったように思えます。今の小学生たちはこんな本を読みつつ、小学校でも英語を学んでいる。ネットで世界とつながり、外国語や外国人との接触も違和感ナシ。時代が進んだなぁと実感しました。

インターネットで国際化社会が当たり前になった今だからこそ、「日本人としてのアイデンティティ」を問うということが重要になってくるのでしょう。まさに脳の柔らかい小学生のうちから、こうした精神論に慣れてゆくのは、非常に有意義ではないでしょうか。教育論に通じた著者は、「鉄は熱いうちにうて」とばかりに、「日本国民としての独自性」ことに「日本人としてよいところ」を平易な言葉でダイレクトに語りかけてゆきます。「型」から発生して、「粘り強さ」や「道」「礼儀」「工夫せずにはいられない性質」などなど、これまでの日本人的性質の形成の仕方を説明し、日本人としてのプライドを育ててゆく内容。

小学生にも馴染み深い著名人、有名人の事例や昔の本の引用などを交えてゆくのもわかりやすい。原爆についての章を最後にあて、原爆についての本を読もうと薦めているところにも強く共感を覚えました。小学生の子供たちにも、そしてその親世代にもオススメです。

日本人の性質のよさ、そして「どうしてそうなったのか」を明確に説明。親世代も納得です

世界で評価されるトヨタ方式。小学生にもわかりやすい切り口で、日本人の性質を説明してゆきます

子供の心をぎゅっとつかむような問いかけがここそこに

「核兵器反対運動は日本人のつとめだ!」と。あとがきに原爆の話を持ってきたのは非常に意義深く、うまい構成