妖と恐るべき運命を前に、少年はどう成長するのか?

公開日:2012/6/29

【割引版】あまつき (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 一迅社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:高山しのぶ 価格:200円

※最新の価格はストアでご確認ください。

日本史のテストで赤点をとった六合鴇時(りくごうときどき)。補習として、春休みに大江戸幕末巡回展に行くことになる。展示はハイテク技術を駆使した最先端のもの。しかし、場内を回っているうちに、謎の生き物…妖「鵺」に襲われる。ギリギリのところで朽葉という少女に助けられるが、気がつくと、そこはトキの知らない場所だった…。

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江戸時代にタイムスリップしてしまったのかと思いきや、そこは日本なのか、なんなのか…まったくの異世界だった。
電子版では6巻まで、書籍では現在14巻まで発売されている。

まず、その異世界がなんたるかを理解するまでに時間がかかるし、トキが行ってしまった世界と、もともといた世界の話が途中クロスしていくので非常にややこしい。
時代モノ、ファンタジーが好きな人には楽しめる作品と言えるだろう。

さて、ここで注目したいのが主人公であるトキだ。
普通、突然、異世界に飛ばされてしまったら、どうなるだろうか? (あり得ないことではあるけども)
パニックになるだろうし、どうすればいいのかと右往左往したり、今自分がいる場所を否定するのではないだろうか。普段の生活でも、突然、環境が変われば(住むところであったり、職場や学校であったり…)なじむことにとても苦労するはずだ。

しかし、トキは、当初は戸惑いはあったものの、驚きのペースでその世界になじんでいった。
トキは、元の世界にいたときから、すべては「自分」と「それ以外」でしかなかった。
当たり前の感覚のように思えるが、こうハッキリと割り切るのはなかなか難しい。
何せ、「それ以外」と割り切ったところでさまざまなことが自分に影響を与えてくる。
トキは「自分以外のすべてのことが遠い」つまりはどうでる良いのだ。

幸せなことに、それでも今の日本でなら生きていける。しかし、異世界に行って変化が現れる。
自分以外を切り捨てられる状況ではなかったのだ。
物語の進行とともに、トキがどのように変化をしていくのか、成長していくのか…注目である。


たとえアトラクションだったとしても、こんな生き物が目の前にいたら腰を抜かします

異世界は一見、テレビで見るような江戸の町並み…

でも、こんな生き物もいます

現代っこ的な考え方ですね