男と女はなぜすれ違う? 話を聞かない男性に効く「話し始めの3秒ルール」とは

暮らし

公開日:2020/9/12

女と男はすれ違う! 共感重視の「女性脳」×評価したがる「男性脳」
『女と男はすれ違う! 共感重視の「女性脳」×評価したがる「男性脳」』(黒川伊保子/ポプラ社)

 なぜ、こんなにも気持ちが伝わらないんだろう…。パートナーや異性の同僚には、もどかしさを感じることがある。そんなモヤモヤを解消してくれるのが、大ヒットとなった『夫のトリセツ』『妻のトリセツ』の著者・黒川伊保子氏の最新作『女と男はすれ違う! 共感重視の「女性脳」×評価したがる「男性脳」』(ポプラ社)。男と女が分かり合えない理由…そこには脳の違いが大きく関係していた。

 本書は人工知能研究者が女性のために書いた、女性脳を最大限に活かすためのトリセツ。男性脳と女性脳の違いが具体的かつコミカルに記されている。

 男女の脳は、まさに真逆。例えば、平均的な男性脳は「ゴール指向問題解決型」の回路を優先する。感情を極力排除し、潔くロックオンし、ゴール達成に集中。情よりも理と義で動く。これには男性が狩りをして進化してきたことが関係している。

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 獲物を確実に仕留めるためには周囲に気を取られたり、目の前の人の感情に寄り添ったりしていてはいけない。だから、現代で、トイレに立つ時に飲み終わったコップをキッチンに持っていくような“ついでの行動”が男性には難しい。しかし、女性脳は半径3メートル以内をつぶさに把握するのが得意であるため、そうした男性の行動に苛立つのだ。

 脳の違いは、会話にも表れる。女性は共感能力が高く、共感しあうことで安堵しやすいが、男性は問題解決のために会話をするので、男女の会話はすれ違いやすい。では、どうすれば男女は歩み寄ることができるのだろうか。

話を聞かない男性に効く「話し始めの3秒ルール」

「あの人って全然、話を聞いてくれない」というモヤモヤをパートナーに対して抱いたことがある女性は多いはず。しかし、実は男性脳は話を聞かないのではなく、「聞けない」のだ。

 狩りで獲物を仕留めなければならなかったため、男性脳にとっておしゃべりは危険なこと。だから、男性脳では“おしゃべりに使う領域”が女性脳の数十分の一にすぎない。さらに、男性脳は目的の分からないおしゃべりに巻き込まれると脳が危険を察知して、なんと音声認識機能が停止してしまうのだとか。

 スイッチオフさせないためには女性側が“話し始めの3秒ルール”を意識していくとよいのだそう。男性は黙っている時、しばしば言語領域のスイッチを切っているため、話し始めはゆっくりと、が基本。相手の視界に入ったら、2~3秒待って本題を告げる。こうすることで、男性脳の音声認識機能が整うのだという。

 また、男性脳は目的の分からない話が2分以上続くと、音声認識機能がオフになってしまうことも少なくないので、結論(話の目的)を最初に明らかにすることも大切だ。

 こうした特徴を知っていると、日頃の苛立ちが減るはず。話し始めの3秒ルールはビジネスの場でも役立つテクニックなので、ぜひ活用してみてほしい。

男性に美しく見られるのは意外に簡単!?

 好きな男性に綺麗と思われたい時は、メイクに力を入れたくなる。しかし、実は男性脳は空間を「点」で捉える三次元点型認識であり、女性を見る時は、三点“素敵”主義。2~3点、美しいと感じる特徴があれば美人だと思ってくれるそう。

 だから、勝負の日はポイントメイクを意識。すべてのパーツに力を入れたばっちりメイクだと、男性はどの点を見ればいいのか迷い、うまく認識できないからだ。ただし、男性脳は輪郭と動きを見ることに長けており、「姿勢」や「立ち居振る舞い」「歩き方」には意識がいきやすいので、そうした点にも力を注ごう。

 ちなみに、男性脳は時間の情報も点で繋ぐため、出勤時と帰宅時に女性の機嫌が悪いと、その間を妄想で繋ぎ、「一日中イラついている」と思ってしまうため、同棲カップルや既婚女性は一緒に暮らしている男性の出勤を見送る時や、帰宅時の出迎えで魅力的な自分を見せることで、印象を操作してみてほしい。

 本書には他にも、男心の癒し方や男性に伝わりやすいビジネス提案法など、公私ともに有益な情報が満載。男女の脳はどちらも子孫繁栄のために命がけで築き上げられてきたものであるからこそ、男性は女性を「感情的」と片づけず、女性は男性を「分かろうとしてくれない」と非難しないようにしていきたい。自分の脳を知り、相手の脳も理解すれば男女はもっと歩み寄ることができる。

文=古川諭香