NHKの陰謀とは…? ヒッキー必読の書がコミック化!

公開日:2012/7/14

NHKにようこそ!(1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:滝本竜彦 価格:588円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「NHK」の正式名称をご存知ですか? 「日本放送協会」…ではありません。アンサーは、「日本ひきこもり協会」の略。
そう、N=日本、H=ひきこもり、K=協会なのです。

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もちろん、これは妄想の産物ですよ。本作の主人公である佐藤達広(22歳)は、大学中退から2年、自宅にこもること4年の、ひきこもり中のひきこもり。そんな彼に、ふと、ある考えが思い浮かぶ。…NHKといえば、ナディアを代表とするハイクオリティなアニメの数々が放送されている。自分をはじめ、ひきこもりを誕生させているのは、NHKのアニメに他ならないのではないか。つまりは、NHKの陰謀である。NHKというナゾの巨大組織が、自分をひきこもり状態にさせているのだ!…と。

4年もひきこもると、ここまで妄想力が培われるものかという感じですが。実は本作のネタは、原作者(小説版)である滝本竜彦氏のひきこもり体験を元に作られており、主人公は作者自身がベースだというから、なんだか説得力を感じたりします。ということで、本作は、そんなNHKに、主人公をはじめとしたヒッキーたちが立ち上がり闘いを挑む、という熱血モノ…ではなく、運命的に出会った美少女・中原岬による「ひきこもり脱出プロジェクト」に参加して、ヒッキーを卒業しよう、というものなのです。いや、これもまた熱いテーマではありますが。ヒッキーの葛藤と苦闘が、ギャグタッチで描かれます。

前述の岬(みさき)ちゃんが、ピュアなようで、どこかミステリアスでもあり、とてもかわいい。対人恐怖症の主人公が、4年の山ごもりならぬ部屋ごもりを終えて密会を重ねるのがこんな美少女だなんて、本当のひきこもりから見たら羨ましい限りではないですか。しかし、彼女にはなんだか思惑があるようで。2巻以降がとても気になります。

ひきこもりが社会問題化していることは、すでによく知られています。学校現場でも、不登校やひきこもりは問題視されており、すでに文科省の主導により、公私立学校で、心理相談にのる心理職専門家として「スクールカウンセラー」(「学校カウンセラー」とも)の配置が進められています。学校により、要員駐在有無の差はありますが、この計画は、どんどん進められているとされています。特に、スクールカウンセラーの中心範囲である小学校から高校において、ひきこもる生徒の減少が期待されます。

デリケートなテーマを扱う本作で、さて、ひきこもりの主人公はどのような変化や成長を遂げていくのでしょうか。


悩める、今をときめく(?)「ひきこもり」の主人公

宗教勧誘にやって来たおばさんの後ろに、言葉を発さない物憂げな美少女。運命の出会い?

夜に美少女と会う。ひきこもりの脱出方法を知っているとか

夜な夜な、「ひきこもり脱出講義」を受けることに…