『ご近所物語』のキャラも登場! 1コマ1コマが胸に突き刺さる号泣必至の恋愛コミック
更新日:2012/7/25
えー、向井理さんについて先日熱く語りすぎましたが、例のパンフレットの巻末に映画『パラダイス・キス』の広告がありまして、久しぶりに読み返したくなって購入してしまいました。
あ、これは向井さん関係なく昔から大好きなマンガなのです。実家に置きっぱなしなので改めて買うのもあれかと思いましたが、そういうときこそ電子の出番!
というわけで、一気に読んで、もうだだ泣き。もしかしたらいちばん好きな恋愛マンガかもしれません。
受験地獄、自分がなにをしたいのか、なんのために勉強するのかわからないまま、流されるままに塾通いを続ける紫が、モデルとしての才能を見出され、初めての恋を知り翻弄されながら自分を見つけていくという、いわゆるシンデレラストーリーなわけですが。
なんでしょう、美人だから成り立つ話といってしまえばそれまでなのですが、紫だけでなく、彼女をスカウトした「パラダイス・キス」のメンバー、矢沢学院に通い服飾の夢を追う一人ひとりの熱意、迷い、真剣さ、自分の人生に対して自分で背負っている責任みたいなものが、そういう表層の部分を吹き飛ばしてしまう勢いをもっているのです。
正直、紫は「いい子」じゃありません。すぐにヒステリー起こすし、無意識に責任転嫁はするし、周囲には流されやすいわ、上から目線だわ。でも、素直。いろんなことを、恥ずかしいとか、がんばろうとか、そういうふうに思いながらどんどん吸収し、彼女が自分の足で独り立ちしようとする姿勢は、読んでいて泣けてきます。
そしてもう一つの見所はもちろん、運命の恋人・ジョージとの恋。サドだわ甘えっこだわ、自分の思うとおりにならないとキレるくせに、主体性のない女は嫌いとかいって弱ってる女も突き放す、正直、彼氏にいちばんしたくないタイプ。したら絶対、こちらがぐちゃぐちゃになる。そして例にもれず紫もふりまわされているのですが、二人が寄りかからないようにしながらも互いを求めていて、どうにか二人でいられるよう模索しながら、それが決定的にむずかしいことを悟っていく様子が、もう、本当に苦しくて苦しくて。ラストには大号泣。
ちなみにいちばん大好きな、最後の号泣シーンを載せるか迷いましたが、やめておきます。
「自分」を見つけていく若者らしいあがきと、どうにもコントロールできない恋の行方。ぎゅっと濃厚につまった5巻、ebookjapanではセット売りもしているので、まとめ買いをすることをおすすめします。
ジョージとの運命の出会いであり、紫の人生を変えた瞬間
追いつめられていく紫、ジョージの言い分もわかるのですが、どうしても一緒に苦しくなります
絵がとにかく緻密で美しい! 大して楽しんでください。さまざまなデザインのファッションにも注目 (C)矢沢漫画制作所/祥伝社
※画面写真はeBookJapanのものです