努力と仲間と根性と…アイドルを作る要素とは！？

高校生の浦山実はあるとき、自分が思いを寄せる同級生・吉永寛子に彼氏がいるのかどうかを確かめるために、尾行をする。
しかし、寛子が向かったのはなんとAKB48のコンサート会場。実は寛子はAKB48の大ファンでオーディションにも参加するのだという。大人しい寛子を励ますために実も女装し、オーディションを受けるが…？

もしも、AKB48の中に女装した男がいたとしたら？　そんなあり得ないけど、あり得たら大スキャンダルになりそうな出来事を題材にしている。登場するAKB48のメンバーは実名であり、性格も本人たちに合わせているそうなので、リアリティは満点である。

さて、ストーリーとしては、「AKBファンのためのお話なの？」と思ってしまいがちだけど、実はそうではない…と私は思っている。もちろんAKBが総出演で、実写化でもされれば楽しそう！ …とは思うが、実際は現代の少年少女がどのように成長し、仲間との絆を深めていくか、というごくシンプルな話なのである。
もちろん、それは、AKBの絆が強いからこそ、投影できるものなのだが、スターになるためには＝自分の夢をかなえるためにはひとりじゃダメだ！ 仲間の力が必要だ！ ということをみのりたちがステップアップしていくことによって、教えてくれているのである。

登場するAKBの面々は、おそらく少し性格が誇張されているんじゃ…？ と思うけれど、その中でもいいキャラクターを見せているのがまゆゆこと渡辺麻友さん。また、リーダーの高橋みなみさんも、テレビで観る以上に熱く、思わず応援せずにはいられない。
「AKB48なんて興味なーい！」という人こそ、1度手にとってほしい。そもそも浦山実は全くアイドルに興味がなかった。それがAKB48に入ることによって、その魅力に気づき、トリコとなっていく。もし、今、AKBなんて…と思っている人がいたら、ぜひぜひ彼女たちが単なる着飾っただけのアイドルグループではないことを知るためにも読んでほしいものである。（ちなみに私は麻里子様推しです…）